初めて行くラーメン屋さんのスツールに腰を下ろして僕が最初にすることはカウンターに置かれた調味料類をチェックすることだったりします。
定番の胡椒以外にラー油やにんにく、ニラなどの味変グッズがいろいろそろえてあるとちょっと嬉しくなるなぁ。
僕が生まれて初めてラーメン屋に入ったのは大学生になってからだったんじゃないかと思います。
高校までは小遣いに限りがあって買い食いの中でもラーメンは高額でなかなか手が出しにくかったし親に連れられてラーメン屋に行ったという記憶がまるでないんですよね。
であれば大学生になって下宿を始めてからじゃないかな。
とまれ初めて行ったラーメン屋で驚いたのはカウンターにいろいろ調味料が置いてあって「ご自由にお使いください」というシステムになっていたこと。
出された料理の味を素直に食べるだけじゃなく「俺流」に味を変化させて料理を二度も三度も楽しむというのはなんかちょっと大人になった気がしました。
その後、うどん屋、蕎麦屋あるいは定食屋でも同じシステムの店があることを知って
「そうか料理屋において出された時点で料理は完成していない。客が好みで最後の調味をして初めて完成するものなのだ」
なぁんて変な悟りの境地みたいなのにハマった覚えもあります(丁度、美味しんぼの連載が始まった頃でそういう通っぽいのがめっちゃ流行っていたのだw)。
慣れて来ると自分の調味料の好みもわかってきてスツールに座ってまず目で探すのは目当ての調味料が置かれているかどうかになったりしました。
例えば天丼などにかけるものとしては七味唐辛子より粉山椒が大好きでして丼物屋でこれが置いていないとちょっとがっかり。
逆にうどん屋や蕎麦屋には置いていない店が多いので置いてあったらめっちゃ嬉しくなります。
そんな山椒好きが高じて思うようになったのです──
最初から山椒で味付けされた料理があったら良いのに……。
……。
……、……
「何を言っているのだ。なければ自分で作れば良いではないか」
脳内の海原雄山に叱られたような天啓を得まして気が付くとこんな料理を作っておりました。
【材料】(1人分)
-調理時間:13分-
- 豚ヒレ肉(ブロック):100g
- ごぼう:1/4本
- 茸(椎茸、舞茸、えりんぎなど):50g
- 塩:少々
- サラダ油:12g(大匙1)
- 粉山椒:適宜
- (あれば)木の芽:少々
[調味料パート]
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- 酒:10g(小匙2)
- 味醂:12g(小匙2)
- 砂糖:3g(小匙1)
【作り方】
- ごぼうはささがきにして5分水に晒してあく抜きをしてざるに揚げて水気を切ります。
- 1.をやっている間に豚ヒレ肉は7mm厚の輪切りにし軽く塩をまぶします。きのこは食べやすい大きさに切ります。
- 中華鍋かフライパンにサラダ油を入れて中火にかけます。これに豚肉を加えて肉の色が変わるまで焼きます。更にごぼうを加えてしんなりするまで炒めます。最後に茸を加えて30秒炒めます。
- 3.に[調味料パート]を加えて水気がほぼなくなるまで炒めます。これを器に盛って粉山椒をたっぷり振ればできあがり。あれば木の芽を散らして戴きます。
【一口メモ】
- 多めの油で炒めて醤油系の味付けにしています。仕上げに粉山椒をたっぷり振りかけました。めっちゃ刺激的な香りがするよ。
- 料理の構造はきんぴらごぼうに似ているので手持ちがあれば細切りの人参やさやいんげんを加えると色目的にも華やかになります。
- 辛いのが平気な方は豆板醤を足して山椒の代わりに花椒を振ってみてください。四川料理風の料理に変身しますよ。