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根菜の料理(和食)

里芋とひじきのごまマヨあえ

「王様は裸だ」

アンデルセンの「裸の王様」で子どもはどうしてそんなど直球なセリフが言えたのかについてはいろいろな意見があると思います。

「子供は無垢で率直だから」とか

「真実を語る勇気を作者は伝えたかったんだ」とか

「大人が持つ虚栄心と対比させたかったんだ」とか。

けどね、敢えてメタ的な発言をさせてもらえば「単純に(王様の恰好が)面白かったから」と言えるんじゃないかななんて思ったりもするんです。

裸のおっさんがパレードをやっているのを見れば口さがない子供は「やーいやーい、裸んぼ」くらいのことは言いそうですもん。

話は変わりますが明治時代になって洋食文化が到来しても「和の食材は洋風のアレンジにそぐわない」と長い間思われてきた節があります。

洋食に使う食材は洋食用の食材を使うものという発想ですね。

理由はいろいろ考えられますがまずは味付けかな。

和食の味付けの主流は醤油や味噌。

それに対して洋食はバターやクリームなどの乳製品を使った濃厚で脂肪分の多い調理法。

昔からの食材──里芋、こんにゃく、ひじきなどを使っても合うわけがないと決めつけちゃった人が多かったんじゃないかしらん。

理由の二つ目は固定観念の問題。

和の食材には長い時間をかけて培った伝統的な調理法があります。

この食材はこうやって料理するものという固定観念がジャマしてそもそも洋風にアレンジしようという発想が湧かなかった可能性も高い。

そして三番目の理由、これが一番大きい気がするのですが日本人の閉鎖的な気質の問題。

明治以降に西洋文化が取り入れられるようになっても伝統的な食文化を守ろうという意識が根強くあって洋食を「伝統を破壊する敵」とみなしてたんじゃないかしらん。

で、洋風にアレンジした料理を誰かが考案しても「奇抜」だの「ゲテモノ」だのでバッサリ切っていそうな気がするんですよね。

中には

「重たい」

「胃に負担がかかる」

なんて言い募って「やっぱり体に優しい和食が一番」なんて勝ち誇ったりしてw

ま、健康面を考えるとあながち間違った考えではないのですが。

それでも時代が移ろうに連れて少しずつ少しずつ嗜好は変わっていきました。

特に戦後は家庭にも洋食が浸透。

とりわけいの一番に和食文化の殻を破ったのは子供たちでした。

ハンバーグやコロッケに真っ先に飛びつき「これ美味しいよ」と夢中になったので大人たちもそれにつられたという一面がありそうです。

今では当たり前になっているツナマヨおにぎりも新しい商品開発で悩んでいたセブンイレブンの社員が息子がご飯にマヨネーズをかけて美味しそうに食べているのを見て着想したと言います。

伝統だとか健康だとかそういった小難しいことは置いておいて裸のおっさんを見れば

「ウケるぅ」と言って笑い、

「これ美味しいよ」と言いながら嬉々としてマヨネーズご飯を食べる子供たちの姿に僕らは目から鱗を引きはがされる思いをすることが往々にしてあります。

そうやって人間は成長し文化は発展していくのかもしれませんね。

そして気が付けば──里芋やひじきをマヨネーズで和えたこんな小鉢料理を出されても「奇抜」とも「ゲテモノ」とも思わなくなっているのはなんとも感慨深いことです。

【材料】(1人分) 

調理時間:25分-

  • 里芋:正味100g
  • 乾燥芽ひじき:大匙1

[調味料パート]

  • マヨネーズ:12g(大匙1)
  • 蕎麦の本返しまたはめんつゆ:5g(小匙1)
  • 白すり胡麻:3g(大匙1/2)
  • 塩、ブラックペッパー:少々

【作り方】

  1. 乾燥芽ひじきはたっぷりの水(分量外)につけて戻し、ざるに揚げて水気を切ります。
  2. 里芋の皮を剥いて一口大に切り塩(分量外)とボウル合わせてよく刷り込みます。これに水を加えてすすぎます。水を2、3回替えながらすすぎ水が透明になったらぬめり取り完了。里芋はざるに揚げて水気を切ります。
  3. 里芋を小鍋に入れてひたひたの水(分量外)を加えてひと煮立ちさせます。蓋をして中火で15分茹でざるに揚げて湯切りします。
  4. 3.をやっている間にボウルに[調味料パート]を加えてよく合わせます。これにひじきと里芋を加えて和えればできあがり。

【一口メモ】

  • 里芋やひじきは純和風食材という先入観がありましたが意外とマヨネーズに合っちゃうのにびっくり。和惣菜という型からは外れちゃうのでしょうけど美味しければそれで良しなのです。
  • 乾燥ひじき、高野豆腐、薄揚げ(冷凍できます)あたりは常備食材として超おススメ。食材が完全に底をついたと思ってもこれらがあるだけでまだまだ1品、2品作れちゃいますよ。
  • 手持ちがあれば練り胡麻を小匙1(6g)ほど加えるとねっとり感が増して胡麻好きにはたまらない風味になります。

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