世界史が苦手でいつも試験で悪い点を取っていた生徒が18世紀のヨーロッパ史の単元だけ高得点を取ったなんて話を聞いたことがあります。
何か不正の匂いがする。
もしやカンニング?!なんて勘ぐってはいけません。
なんら不正は行われておらずその得点は彼女の実力そのものだったのです。
実は──彼女は池田理代子さんの「ベルサイユのばら」の愛読者。
同作を何度も読み返すうちにフランス革命前後のヨーロッパ情勢にめっぽう詳しくなっていたのです。
似たような話で大和和紀さんの「あさきゆめみし」を読み漁って平安時代の宮中事情にやたら詳しくなった人がいるというのも聞いたことがあります。
人気のある時代には三国志オタク、戦国オタクなどのオタクがいて学者顔負けの知識量と考察を展開しているとか。
好きこそものの上手なれと言いますが親からがみがみと「勉強しなさい」と言われたわけでもないのに本人も勉強したつもりもないのに良い点が取れる現象はなんか面白いですね。
学校の勉強がつまらないと思っている生徒にとってそれを強制されることは苦痛でしかありません。
けど、好きな小説や漫画なら言われなくても率先して手に取り何時間でもむさぼるように読めるわけです。
──これを食育に当てはめてみたらどうでしょう。
「ちゃんと野菜も食べなさい」
そう言ってお母さんに叱られている小さな子供の心情やいかに?
「だって、美味しくないんだもん」
なんて思っているかもしれません。
ちょっと視点を変えてみましょう。
「この子が野菜を食べないのはこの料理の味が好きじゃないからかもしれない。この子が夢中になるような味にしたら。何も言わなくても勝手に箸を付けるんじゃないかしら」
小松菜のおひたしは醤油オンリーの味付けが定番でその単調さゆえ小松菜のえぐみが引き立ってしまいます。
大人は平気でも子供にはそれが苦痛かも。
ならばバター醤油におかかで食欲をそそらせるのはどうよ?
昭和の頃には「漫画は害毒」と決めつけて問答無用で子供から取り上げるお母さんが少なからずおりました。
けどその漫画を読むことでヨーロッパ史の見識を深めた少女もいたのです。
その教訓を活かして令和のお母さんはもっと賢くならねば──ではないでしょうか。
【材料】(1人分)
-調理時間:6分-
- 小松菜:3株
- かつお節:1g
- サラダ油:4g(小匙1)
[調味料パート]
- 濃口?油:6g(小匙1)
- 酒:10g(小匙2)
- バター:6g(大匙1/2)
【作り方】
- 小松菜は葉と茎に分けてざく切りにします。
- フライパンにサラダ油を入れて中火にかけます。これに小松菜の茎を加えて2分炒めます。更に葉を加えて1分炒めます。
- 2.に[調味料パート]を加えて絡めながら水気がほぼなくなるまで炒めます(約1分くらい)。火を止めてかつお節を加えてざっと混ぜればできあがり。
【一口メモ】
- 見た目は地味なお惣菜然としたたたずまいですがバター醤油で風味満点。おかかの香ばしさも相まって箸が進む一品です。野菜嫌いな子供たちもついつい香りに誘われて箸を伸ばすんじゃないかな。
- おろしにんにくを加えてガリバタ風味にするのもあり。更に食欲マシマシになっちゃいます。
- 大人向けには小口切りにした鷹の爪を一緒に炒めてピリ辛にしても美味しいですよ。