「変わり種」という言葉があります。
辞書を引くと「定番とは違った、変わっている事。普通のものとは違う、変わったもののこと」などと書かれています。
動物、植物に使う場合は変種。
人間に使うと変人を指す言葉ですね。
料理の世界では定番と思わせておいて不意打ちを喰らわせる意外性の演出に変わり種はよく使われます。
ただ何の料理にでも応用できるかというとそうでもなく変わり種を仕込むのに向く料理というのはあります。
つまり……見ただけでは何が使われているかわからない──そんな料理です。
例えば餃子。
皮で包まれているので具材に何が使われているかわからない。
揚げ餃子にしてしまえばなおのこと透けて見えることもなし。
で……「じゃがいもとベーコンの焼き」とか「餃子えびとチーズの揚げ餃子」とか「ウインナーと大葉チーズの巻き餃子」なんてのを作ると子供たちは大喜びします。
にんにくを使わないのでお弁当にもOKですよ。
鍋料理も変わり種を仕込むのにもってこい。
鍋の蓋を取った瞬間にどんな顔をされるか作っている最中から楽しみです。
あるいは家庭で作るものではないけれどお酒。
焼酎なんかは原材料を自由に変えられるので変わり種の宝庫です。
世の中には栗焼酎、しそ焼酎、牛乳焼酎、レタス焼酎なんてのもあるんですよ。
そして、揚げ物。
衣に包まれた天ぷらや串カツも変わり種の宝庫です。
というか天ぷらの起源は店の余り物を捨てるのがもったいないので衣を付けて揚げ物にしたなんて説もあるくらい。
要は材料を選ばないなんでもありの料理なのです。
なので「これは煮物にするもの」と頭から決めてかかってしまっていた冬瓜も案外揚げ物でもイケるのではと思い試してみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- 冬瓜:100g
- (市販の)てんぷら粉:適宜
- 揚げ油:適宜
[下味パート]
- 蕎麦の返しまたは麺つゆ:12g(小匙2)
- おろし生姜:ひとかけ分
【作り方】
- 冬瓜を下茹でするお湯(分量外)を沸かします。待っている間に冬瓜は皮を剥いて一口大に切っておきます。湯が沸いたら冬瓜を加えて中火で5分茹でます。これをざるに揚げて水切りします。 ※ワタや種は取らなくてもそのまま一緒に天ぷらにしちゃえます。
- 冬瓜の粗熱が取れたらビニール袋に冬瓜と[下味パート]を合わせて10分漬け込みます。待っている間にてんぷら粉を水に溶いて衣を作り揚げ油は漬け込みの終わりに合わせて170度に温めておきます。
- 2.の冬瓜の水気を切り衣を付けて3分揚げればできあがり。
【一口メモ】
- 口の中でとろっと溶ける不思議な食感の天ぷらに仕上がりました。ちょっと他の揚げ種では味わえない楽しさがありますね。
- 下味が付いているのでそのまま食べられます。天つゆや塩で食べる前提にする場合は工程2.を省いてください。
- そのまま単品のおかずで戴いても良いですがせっかく衣が作ってあって、揚げ油も温まっているので冷蔵庫のあり合わせをいろいろ揚げて天丼にするなんてのも楽しいですよ。