過日、肉しか食べない職場の後輩の話をちらりと書きましたが似た人は一定数世の中にいるようです。
特に男性が多い気がするな。
そういった男性は結婚すると必ずと言って良いほど夕飯のことで奥さんと揉めるようでネットでもそういった相談事をよく見かけます。
曰く、肉料理がないと不機嫌になる。
肉だけ食べて野菜を食べ残す。
ひどい人は自分でカップラーメンを買ってきてそれで夕飯を済ませるなど。
そんな食生活を続けていたら摂取する栄養価が偏って体に良いはずがありません。
何年後か何十年後かに必ず後悔する時が来ます。
なら、肉好きな男性でも思わず食べたくなるような野菜料理を考えれば良いのでは?──料理好きの性でそんなことを考えたりもするのですが……
「ちょっと待てよ」と僕の中のもう一人の自分が止めに入ります。
「甘ったれるな」と言いたい。
そう言った男性は親の食育に問題があったのでしょう。
食べたいものばかり食べさせて食べ残しを容認してバランスよく食事することが体にとってどれほど大切か教えてこなかった親の責任です。
親に叱られないのを良いことにわがまま放題に育った大の男になんでそんな工夫を凝らしてやる必要がある?
それは「苦い薬はいやだ。飲みたくない」と駄々を捏ねて泣く子供となんらかわらないじゃないですか。
そんな大きな子供に対して奥様が取るべき態度はもっと毅然としたものであるべきだと僕の中の僕が思い直すのです。
苦い薬を飲みやすいように甘くしてやる?
そんなのは子供だけで十分。
「お肉は好きなだけ食べて良いけど、その代わりこれも食べなさい」そう言ってなんの変哲もないこんなお料理を出すべきなのかもしれません。
つるむらさきはほうれん草などの葉野菜に比べて数倍の栄養価を誇る野菜です。
この小鉢料理を食べるだけで栄養のバランスはぐんと良くなる。
そう言い聞かせて食べるまで席を立つことは許しませんというのが大きな赤ん坊に対する正しい態度なんじゃないでしょうか。
ま、相手は赤ん坊なのでなかなか言うことは聞かないでしょうが(笑)
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- つるむらさき:1/2束
- だしの素(鰹だし):1g
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- ポン酢:6g(小匙1)
- 黒ごま:適宜
- ごま油:ひとたらし
【作り方】
- つるむらさきを茹でる湯(分量外)を沸かします。待っている間につるむらさきは茎と葉に分け茎は2cm幅の斜め切りに葉はざく切りにします。
- 湯が沸いたら茎を投入して中火で4分茹でます。ラスト1分になったら葉を加えて蓋をし、茹でます。茹で上がったらザルに揚げて流水で粗熱を取り更に氷水に放って急冷します。
- 急冷することで鮮やかな緑色を保てます。この技法を色止めと呼びます。
- 2.をよく絞って水を切り残りの材料を加えてよく和えればできあがり。
【一口メモ】
- 茎のネバネバっとした食感が面白いです。少しエグみがありますがごまの風味とかつおだしを利かせるとかなり抑えられるので気にならない程度だと思います。
- お好みで鰹節や焼海苔を和えても美味しいですよ。
- ちなみに白ごまを和えると「胡麻和え」と呼びます。「胡麻汚し」というのは黒ごまの色から来ているのですがなんかかわいそう(笑)。