昭和の昔、街の飲食店って「なんでも屋さん」のイメージがありました。
さばの味噌煮定食があるかと思えば、カレーライス、炒飯、ラーメン、うどんなどもあったりして、今考えるととりとめもまとまりもない料理が同じ店のお品書きに並んでおりました。
あの頃はそれが不思議でもなんでもなかったのですが、今考えると店のご主人の調理技術の幅は広かった気がするな。
それに比べると近頃は飲食店の料理は細分化が進んでその分、専門的になっている気がします。
カレーの専門店。カツの専門店。豆腐料理の専門店。海鮮料理の専門店。エトセトラ。
加えて特定の国の料理の専門店も格段に増えました。
麺類に関してもご多分に漏れず。
パスタをスパゲティと呼んでいた昭和の昔、街の飲食店ならせいぜいナポリタンかミートスパゲティなどが申し訳無さそうにメニューの端に並んでいる程度でした。
今ではいかにもイタリアンな高級感漂うパスタ専門店もめずらしくなく、店のお品書きにはこれでもかというくらいオリジナルのパスタ料理が並んでいます。
昭和の昔なら店に入ってから今日は定食にしようか、それとも丼? 麺類?
なんて迷ったものですが、今では店に入る前から「今日はパスタ」と決まっているんですね。
で、僕なんかは根がミーハーなので「季節限定」なんて文字を見るとついつい頼んじゃう。
で、たとえばこの料理みたいなのを食べていたりするのです。
【材料】(2人分)
-調理時間:11分-
- スパゲティ:100~120g
- アミエビ:ひとつかみ
- 春菊:半束
- ごま油:少々
[茹で汁パート]
- 水:600g(カップ3)
- 塩:8g
[餡パート]
- 水:150g(カップ3/4)
- 鶏ガラスープの素:3g
- 水溶き片栗粉:9g(大匙1)分
【作り方】
- [茹で汁パート]を鍋に入れて強火にかけ沸騰したらスパゲティを加えてパッケージに記載の時間-1分茹でます。
- 1.をやっている間に春菊は洗って茎と葉に分けてざく切りにします。
- フライパンにアミエビとごま油を入れて中火にかけ炒めます。香りが立ってきたら春菊の茎を加えて更に1分炒めます。
- 3.に[餡パート]の水溶き片栗粉以外を加えてひと煮立ちさせ水溶き片栗粉を加えてとろみを付けます。火を止めて春菊の葉を加えざっと混ぜておきます。
- スパゲティが茹で上がったらザルに揚げて水気を切ります。これを4.に加えて中火にかけざっと和えればできあがり。
【一口メモ】
- ごま油、炒ったアミエビ、春菊による香りの重奏を楽しむ一品。食べ進めるごとに口の中いっぱいに春を待つ香りが広がっていきます。餡のとろみが緩んでお茶漬け的に食べられるのも楽しいですよ。
- このレシピの段取りポイントは工程1.が完了するまでの10分程度で残りの全ての支度を済ませること。気合を入れてキリキリ働きましょう。
- 春菊の葉は火を通しすぎると苦味が出ますので餡が仕上がってから最後に入れるのがコツ。ホロリと苦い程度に仕上がります。
- お好みで粉山椒などを餡に加えても楽しいです。清涼な香りが食欲を増してくれます。