特にバブル期後半に勃発したイタ飯ブームからこちら日本人が認知するパスタソースの種類はうんと多くなった気がします。
けれど、それよりずっと前、昭和の時代にスパゲティがまだパスタと呼ばれていなかった頃のパスタソースと言えばおよそケチャップのように甘いトマトソースかそれにひき肉を加えたミートソースと相場は決まっていました。

あるいは喫茶店の定番、ほんとにケチャップを使ったナポリタンですかね。
ミートソースは新潟市のホテルイタリア軒が草分けではないかと言われていて開業明治14年以降のどこかのタイミングでメニューに加わったそうなので相当に古くからあったパスタソースだと思います。

東京銀座の煉瓦亭でも遅くとも大正時代にはメニューにあったとのこと。
たぶん、当時の人々はおにぎりには海苔を巻くという認知のごとく、スパゲティにはミートソースをかけるもの、それ以外のソースなんて考えられないと思っていたのではないでしょうか。
そのミートソースですら多様化する昨今ですが、こういうのもありじゃないかな。
みじん切りにした鶏の砂肝をトマトと合わせたパスタソース。

これだって一種のミートソースと言えなくはないでしょう。
今回は調味料を和食に寄せて和風パスタにしてみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- スパゲティ:100?120g
- 砂肝:2粒
- 玉ねぎ:1/8個
- にんにく:ひとかけ
- 野菜類:セロリ、しめじ、人参、ピーマンなど冷蔵庫のあり合わせの野菜を少量ずつ
- オリーブオイル:適宜
【作り方】
- [茹で汁パート]を鍋に合わせ一煮立ちさせます。沸騰したらスパゲティと小ぶりのスプーンを入れパッケージに記載された時間?1分茹でます。 ※小ぶりのスプーンを入れると吹きこぼれを防ぐことができます。
- 1.をやっている間に砂肝、玉ねぎ、にんにく、野菜類はみじん切りにします。
- フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて弱火にかけます。香りが立ってきたら砂肝、玉ねぎ、野菜類を加えて中火で2分ほど炒めます。
- 3.に[ソースパート]を加えて強火にかけます。水分がなくなってきたら段階的に火を小さくし液体がほぼなくなる程度まで煮詰めます。
- 茹で上がったスパゲティをザルに揚げて水気をよく切り更に盛ります。4.のソースをこんもりと盛り付ければできあがり。
【一口メモ】
- 味は醤油と味醂が軸の純和風。隠し味に加えた柚子胡椒がぴりりと辛く和風アラビアータという風情です。砂肝のコリコリとした食感は新鮮で普通のミートソースに飽きたらこれもありですね。内臓の臭みはまるで感じられません。
- このレシピに限らずパスタ料理全般の段取りポイントはパスタを茹でるお湯を沸かし始めてからパスタの茹で上がりまでの時間およそ10分。この間にソースを仕上げれば10分で「いただきます」ができます。
- 和風パスタはきのこ類の種類を増やすと風味が複雑になります。椎茸、しめじ、舞茸、えのきなど和のきのこをちょこっとずつ加えると楽しいですよ。
- 柚子胡椒はけっこうピリ辛になりますので辛いのが苦手な方は抜いてください。

