「そうねぇ…じゃあ肉も魚も乳も卵も入ってない料理があるならそれを頂戴。ないなら特に何もいらない。すぐに出ていくわ」
７日１度、店の扉が異世界につながる不思議な洋食屋を舞台にした物語、異世界食堂の中に出てくるセリフです。
注文をしたのはエルフ(妖精的な長命の種族)。
この種族は動物性のものが食べられないらしくこんな注文をします。
洋食屋さんでこの注文はかなり厳しいのではと思ったのですがマスターがそれに応えて出したのは「豆腐ステーキ」でした。
ソースは昆布出汁をベースにして醤油で調味したもの。
刻みネギを散らせばできあがり。
植物性のものオンリーでもボリューミーなごちそうって出せるんだなぁと感心したものです。
昨今、料理をテーマにしたアニメやドラマが人気なようですが、回が進むと必ずと言って良いほどこの種の「○○縛り」的な注文をする客が現れて店主を困惑させるエピソードが差し込まれます。
物語の良いアクセントになるんでしょうね。
曰く、宗教上の理由で動物性のものがＮＧな修行僧に出したこってりラーメン。
偏食な貴族の令嬢が出した難題に応えて出したあんかけ湯豆腐。
なんていう起死回生の一品が出されるエピソードもあれば、悪意を持った店主が自称ヴィーガンの娘に「どうせ流行りに乗っているだけだろ」と蔑んで出した実は動物性のものを使った料理──なんていうちょっと苦い変化球的エピソードまで百花繚乱状態です。
ま、○○縛りの料理というのは作劇上の演出としても面白いのですがリアルで挑戦するのも挑戦しがいのあるテーマだと思うのです。
過日、「納豆ツナパスタ」というのを作ったのですがそれを進化させて植物性縛りのクリームパスタを思いついたので材料を揃えてチャレンジしてみました。
【材料】(1人分)
－調理時間：１２分－
- スパゲティ：100～120g
- 納豆：1パック
- 刻み海苔：少々
[ソースパート]
- 豆乳：100g
- パスタの茹で汁：お玉1杯分
- 昆布出汁の素または昆布茶：小匙1
- ごま油：4g(小匙1)
- 味噌：6g(小匙1)
[茹で汁パート]
- 水：600g(カップ3)
- 塩：7g
【作り方】
- [茹で汁パート]を鍋に入れて沸騰させパスタをパッケージに記載の時間－１分茹でます。
- １．と並行して納豆に添付のタレ、辛子を加えてよく練ります。
- フライパンに[ソースパート]を合わせてひと煮立ちさせ納豆を加えてよく混ぜながら１分茹でて火を止めます。
- パスタが茹で上がったらざるに揚げて湯を切り、３．のフライパンに加えて中火にかけトングで和えながら３０秒炒めます。お皿に盛って刻み海苔をトッピングすればできあがり。
【一口メモ】
- めっちゃ濃厚でコクのある風味がクセになります。納豆、豆乳、味噌という大豆製品のトリプルコラボ。予想通りめっちゃ好相性でした。
- 動物性のものをいっさい使っていないパスタですので、もし身の回りに(理由が何であれ)動物性のものがダメな人がいればオススメできる１品ですよ。
- お好みで柚子胡椒を小匙１／２杯加えるとピリッとした風味が加わってまた楽しいです。
