ラジカセからオートリバース機能が消えた。
そんなニュースをだいぶ前に読みました。
あ、ちなみに機能の説明をしておくとオートリバースとはカセットテープを最後まで再生した時にテープを入れ替えなくても自動的に裏面の再生を始めてくれる機能です。
カセットテープ自身をひっくり返すのはサイズ的に無理なので再生するヘッドの方を半回転させることで実現していました。
登場した時は感動したなぁ。
これでわざわざカセットデッキまで歩いて行ってテープをひっくり返す必要がなくなる。
車の運転中でも音楽が途切れないって。
オートリバース機能は大人気になって昔はどのメーカーのカセットデッキでも当たり前に付いていたのですが現在販売されているデッキには付いていないのだとか。
その理由はオートリバースの部品を作っていたメーカーが撤退したこと。
もちろん、それでもカセットデッキを作っているメーカーが独自開発すれば復活するのでしょうけど開発コストとカセットデッキ自体の需要を天秤にかけたら割に合わないんですって。
これは純粋にコストが見合わなくて今まであった技術を諦めた例ですが当たり前だと思っていた技術が未来にも必ず残っているとは限らないと釘を差された気がしてわりとショックでした。
そういえば店主が高齢化して店をたたみますなんてニュースでは「もうあの味が食べられなくなる」と常連が嘆いているなんてフレーズがお決まりのように踊っています。
案外簡単に技術というのは失われてしまうものなのかもしれませんね。
今はめずらしくもなんともないあんかけ料理ですがこれだって料理をしない人からしたらどうやってとろみを付けているのかわからず魔法のように思われているかもしれません。
いつかの未来、あんかけの技法を伝える人も文献もなくなる時が来たとしたら……、
「むかしはあんかけと言ってとろみの付いたスープをかける料理があったんだそうだ。けどどうやってそんな料理を作っていたかどうしてもわからなくてね」
どこかの厨房でそんな会話がなされているかもしれません。
そうならないようにまたひとつレシピを書き残しておきたいと思います。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- 袋入りラーメン(醤油味):1袋
- 水:150g(カップ3/4)
- 玉ねぎ:1/8個
- 人参:スライス1枚
- ししとうまたはあまとう:1本
- 水溶き片栗粉:6g(小匙2)分
[肉種パート]
- 豚ミンチ:50g
- 生姜:ひとかけ
- にんにく:ひとかけ
- セロリ分:3cm
- 豆板醤:6g(小匙1)
- ごま油:4g(小匙1)
【作り方】
- 玉ねぎと人参は細切りにします。ヘタを落としてししとうは3mm厚の小口切りにします。[肉種パート]の安い類はみじん切りにします。
- [肉種パート]をフライパンに合わせて弱火にかけます。よく混ぜながら肉の色が変わるまで炒めます。一旦これを皿に取ります。
- 2.のフライパンを洗わずそのまま中火にかけます。これに玉ねぎ、人参、ししとうを加えてしんなりするまで炒めます。これに水150gを加えてひと煮立ちさせます。ラーメンに添付の粉末スープの1/3量を加えてさっと溶きます。
- 別鍋に湯(分量外)を沸かしてラーメンを規定時間茹でておきます。並行して3.に水溶き片栗粉を加えてとろみを付けます。これに[肉種パート]を加えてざっと混ぜます。
- 茹で上がったラーメンをざるに揚げて湯を切り器に盛ります。これに4.をたっぷりかければできあがり。
【一口メモ】
- わりとガッツリとろみが付いた餡が麺によく絡みます。横浜名物のサンマーメンに近い感じかな。ピリ辛のテイストがヤミツキになりますよ。
- この料理を作ったきっかけは入院中に「インスタントラーメンのスープを飲み干すと塩分過多になりますよ」と栄養士さんに釘を差されたこと。だったらスープの量を最初から1/3にすれば良いじゃんと考えたのです。ただそれだと麺が浸からな過ぎるかなと思いあんかけにしてみました。
- 野菜類はあり合わせを使っていますので冷蔵庫の中身と相談しながらいろいろ野菜や茸を投入してみてください。