おでん缶といえば熱々のおでんが詰まった缶詰で秋葉原の自販機で売られているイメージが強い商品です。
けど、最初にアキバにおでん缶を自販機で売り始めた天狗缶詰は名古屋の会社でアキバとは縁もゆかりもない土地柄なんだそうです。
単に冬場になるとジュースの売り上げが低迷するそのテコ入れに自販機会社がおでん缶を導入したらしい。
これがゲーム雑誌などで「ここでしか売られていない」「隠れた秋葉原の名物」なんて取り上げられ、徐々に知名度を上げていったそうな。
似た例として丸亀製麺の本部は神戸市で実は丸亀とは縁もゆかりもないというのは有名な話です。
けど、今や海外進出まで果たして世界的に讃岐うどんの代名詞になっちゃっているので今更感がありますよね。
同様に天津飯という料理は中国の天津生まれではありません。
諸説ありますが明治末期から大正初期にかけて東京と大阪で同時多発的に生まれた純然たる日本生まれの中華料理だそうです。
(東京と大阪の店につながりはなく、同時期に似た発想をした料理人が複数いたらしい)なので、「天津に行って本場の天津飯を食べたい」と思ってもせんないこと。
普通は売られていないそうです(皮肉なことに日本人が経営するスナックや日本で料理修業した中国人の店ではメニューに載っていたりするそうですが)。
なら、天津にああいった料理がないのかというとそうでもないらしい。
丸く焼いた卵焼きに餡をかけた天津の名物料理があります。
その名はグォーターリージー(漢字で書くと文字化けするのでカタカナ表記)。
但し、卵の下にあるのはご飯ではなく焼いた豚肉なのです。
【材料】(1人分)
-調理時間:25分-
- 豚ヒレ肉:50g
- 卵:2個
- サラダ油A:12g(大匙1)
- サラダ油B:12g(大匙1)
- 生姜スライス:1枚
- 刻み葱:少々
- 水溶き片栗粉:6g分
- スープ:水80g+鶏ガラスープの素3g
- 豆板醤:3g(小匙1/2)
[調味料パート]
- 濃口醤油:15g
- オイスターソース:3g
- 酒:15g
- 砂糖:3g
[肉の下味パート]
- 塩、ブラックペッパー:少々
- 酒:5g(小匙1)
- 片栗粉:少々
【作り方】
- 豚肉は薄くそぎ切りにして[肉の下味パート]をまぶしておきます。卵はボウルに割り込んでよく溶いておきます。生姜は千切りにしておきます。
- 中華鍋にサラダ油Aを入れて中火にかけ豚肉を一切れずつ広げて並べて入れ両面に焼き色が付くまで焼いて一旦皿に取ります。
- 2.の中華鍋に生姜と豆板醤を入れて中火にかけます。香りが立ってきたら肉と[調味料パート]を加えて絡めるように炒めます。これにスープを加えてひと煮立ちさせざるで濾して肉とスープに分けます。
- 3.の中華鍋にサラダ油Bを加えて中火にかけ卵液の半分を流し込みます。卵を薄く延ばしながら焼き固まってきたら肉を載せます。その上から卵液の残りをかけて卵とじにし、フライ返しでひっくり返して両面を焼きます。
- 4.に3.で濾したスープを加えてひと煮立ちさせます。これに水溶き片栗粉を加えてとろみを付ければできあがり。
【一口メモ】
- 厚焼き玉子くらいのボリューム感を想像していたのですが意外としっかりしたおかずになります。少量とはいえ豚肉の存在感がすごい。そして濃厚な風味の餡がめちゃ旨いです。
- いわゆるかに玉である芙蓉蟹のお肉バージョンと言えなくもないかもしれません。ただ、天津飯や芙蓉蟹に比べるとずっと甘さ控えめで醤油系の辛さが強いのが特徴です。
- 作り方は肉を焼いて卵でとじる分、ご飯に卵を載せるだけの天津飯に比べるとちょっとめんどくさいのですが味は保証付き。たまには本場中国の味が楽しみたいという夜にはおススメの一品です。