料理の発祥にはまことしやかな逸話が付いているものが少なからずあります。
例えばアンリ・シャルパンティエ(19世紀に活躍した伝説級のフランスの料理人)がまだ見習い給仕をやっていた頃、お忍びで店に来ていた王子(のちのエドワード7世)とその恋人にデザートのクレープを出そうとしたところ誤ってリキュールに火を付けてしまいました。
けど、味見をしたら美味しかったのでそのまま出したら好評を得たという逸話。
そのデザートは王子の恋人の名を取ってクレープ・シュゼットと名付けられたとか。
いや、そんなことをしたら普通は一発でクビになります。ま、都市伝説の類でしょう。
日本でも肉じゃがは東郷平八郎が「イギリスで食べたビーフシチューが食べたい」と注文したらあんな料理になっちゃったなんて逸話があります。
東郷平八郎が赴任していた場所にちなんで発祥の地は呉とも舞鶴とも言われていて未だに論争が絶えないとか。
ところで、滋賀県彦根市には「近江ちゃんぽん」と呼ばれるご当地麺料理があるそうです。
長崎に旅行した人がそこで食べたちゃんぽんに感動してスープを和風の蕎麦つゆに変えて自分の店で出したのが始まりと言われています。1960年代の話なので意外に歴史のある料理みたいですね。
今から100年後、長崎のちゃんぽんやこの近江ちゃんぽんはどのように語られているのでしょう。
案外、どっちが本家なのかとかどっちが先に誕生したのかとか議論されていたらちょっと愉快かも。
【材料】(1人分)
-調理時間:10分-
- 中華麺:1玉
- 具材類:豚肉、キャベツ、人参、もやし、きくらげなどお好みで
[スープパート]
- 鰹だし:300g(カップ1.5)
- 鶏ガラスープの素:3g
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 酒:15g(大匙1)
- 味醂:9g(大匙1/2)
- 砂糖:3g(小匙1)
【作り方】
- [スープパート]を小鍋に合わせてひと煮立ちさせておきます。並行して麺を茹でるお湯(分量外)を沸かします。
- 具材類を食べやすい大きさに切ります。フライパンに少量のサラダ油(分量外)を入れ中火にかけて具材類を炒めます。
- 中華麺をパッケージに記載された時間茹でます。これをざるに揚げて流水で〆どんぶりに移します。[スープパート]をこれに注ぎ具材類をトッピングすればできあがり。
【一口メモ】
- かけそば風味のラーメンを食べている気分です。山形の鳥中華に近いかな。けど具材が多彩で楽しい一杯です。
- ほぼラーメンを作るのと同じ程度の手間で作れます。お昼時、うどんや蕎麦やインスタントラーメンに飽きたらぜひどうぞ。
- 具材は長崎のちゃんぽんに入っているようなものであれば何でもあり。蒲鉾なんかを入れても美味しいですよ。
- 長崎のちゃんぽんと違って海鮮は入れないのが流儀だそうです。ただ、家で食べる分には拘る必要はないのでシーフードミックスなどあれば入れると楽しいです。