2025年夏クールのアニメで「その着せ替え人形(ヴィスクドール)は恋をする」のシーズン2がオンエアされました。
ファンとしては嬉しい限りです。
同作はひな人形の頭(かしら)師を目指して日々修行に励む少年とコスプレが大好きな陽キャ少女の恋模様を描いたラブコメです。
どうしてもコスプレしたいキャラがいるのにお裁縫がダメダメで衣装を作れない彼女がクラスメイトである少年にその制作を頼んだのがきっかけでふたりは仲良くなっていきます。
人形の頭はまだ作らせてもらえないけど、彼の縫製技術は既にプロ級なのです。
徐々に親密になっていくふたりの仲をニヤニヤしながら見守るのも本作の見どころなのですが、随所で紹介されるコスプレの知識や技術にも僕は強く惹かれました。
コスプレとは漫画やアニメ、ゲームなどの登場人物やキャラクターに扮する遊びです。
ある意味、シェークスピアのお芝居や貴族の仮面舞踏会だってコスプレと言えないことはないのでしょうけど、僕らがよく知るコスプレの原点は1970年代にアメリカのSFイベントでスターウォーズのキャラに扮装した人が現れたあたりのようです。
その後、1980年代には日本のコミケなどでも定着していったらしい。
まあ、1970年代の後半にはミーとケイに扮してピンクレディの曲に合わせて踊りまくる小中学生が大量におりましたから元々、素地はあったんでしょうね。
僕がコスプレのここが凄いなぁと感じるところはアマチュアがプロに挑んでいるところ。
コスプレの元ネタになるキャラを造形したのは映像作品のプロ製作者、しかもコスプレしたくなるほど人気のあるキャラを作っているということはトップクラスの人たちです。
そんなプロ中のプロたちが生み出したキャラクターを素人が見よう見まねで作るなんて──無理! と考えるのが普通でしょう。
けれどコスプレイヤー(コスプレをする人をこう呼びます)たちは仲間同士で情報交換をし、知恵を絞り、試行錯誤し、ついには本物と見まごう領域まで到達するのです。
中には“本物以上!”なんて称賛するコメントを、何度も目にしたことがあります。
もちろん、お金もかけているだろうし、テクニックやツールも駆使しているでしょうけど一番の原動力になっているのはあくなきキャラクターに対する愛と情熱なんだろうなと僕は思います。
実は料理の世界でもコスプレと似たようなムーブメントはあります。
「有名店のあの味を家でも食べてみたい!」
その情熱に動かされて味を分析し、調味料や調理法に工夫を凝らし、挫折を何度味わってもあきらめずにトライ&エラーを繰り返し、料理の再現に飽くなき探求を続けている料理マニアな人たちがいます。
そんな努力の成果を自慢したくなるのは人情。
ネット上には"完コピ"、"完全再現"などと銘打たれたレシピが溢れています。
かくいう僕もお店で食べた味に感動して自作にチャレンジしたことが何度もあります。
「吉野家風 牛丼」、「神座風 おいしいラーメン」、「ボンディ風 チキンカレー」などなど。
中にはドラマ"流星の絆"に出てきたアリアケという洋食屋さんのメニューの再現「アリアケ風 ハヤシライス」なんてのもありましたっけ。
つまり、実在しないはずの料理の再現ですね。
アニメシ(アニメに出てきた美味しそうな料理の総称)の再現に近いイメージかな。
僕の再現料理のコンセプトはオリジナルにそっくりであることにこだわらないこと。
もちろん、お店の味に寄せていくのですが全く同じでなくても美味しければそれで良いやというわりと緩いスタイルです。
過日、西宮でとろろラーメンなるものを食べたのですがめっぽう美味しかった。
丁度、家に山芋があるし再現してみようぜとさっそく挑戦。
お店の味とは全然違うけど、けっこうおいしいラーメンになったのでレシピを記しておきます。
そっくりにできたなら感動ものだけど、そうでなくてもけっこう楽しい料理のコスプレ──せっかくの夏休みですし、トライしてみてはいかがでしょうか。
【材料】(1人分)
-調理時間:8分-
- 袋入りラーメン(味は醤油かとんこつがおすすめ):1袋
- 小松菜:2本
- 山芋:正味40g
- (お好みで)粗挽きブラックペッパー:少々
[小松菜の下味パート]
- 鶏がらスープの素:1g
- 酒:10g(小さじ2)
[とろろの味付けパート]
- 昆布出汁の素:小さじ1/2
- 鶏がらスープの素:1g
- わさび:チューブから1cm分
【作り方】
- 小松菜を横半分に切って耐熱皿に入れ[小松菜の下味パート]を振りかけます。これにラップをかけ楊枝などで2、3か所穴を開けて電子レンジの500ワットで1分半温めます。
- ラーメンの粉末スープ半分分の水を小鍋に入れて沸かします。それとは別に麺をゆでる湯を別鍋で沸かします。湯が沸くのを待つ間に山芋の皮を剥きすりおろします。これに[とろろの味付けパート]を加えてよく混ぜます。 ※山芋のこしらえをしている間に湯が沸いたら先に工程3.に進み、麺が茹で上がるのを待つ間に残りを仕上げましょう。
- 麺を茹でる湯が沸いたら麺を加えて規定時間茹でます。スープ用の湯が沸いたら粉末スープの半量を加えてよく溶かしておきます。
- 茹で上がった麺をざるに上げて湯切りをし、丼に移します。これにスープを注ぎとろろと小松菜をトッピングすればできあがり。お好みで粗挽きブラックペッパーを振って戴きます。
【一口メモ】
- この前、お店で食べたやつが美味しかったので試作してみました。けっこう美味。なにげにとろろに仕込んだわさびが良いアクセントになっています。
- とろろ以外のあしらいには青菜系がおすすめです。小松菜を使いましたが家系ラーメン風にほうれん草を使っても美味しいですよ。あと風味の強い水菜を短く刻んで散らすのもありです。
- 全体としてはとろろご飯のライスをラーメンに置き換えた料理なので薬味は小葱、茗荷などをみじん切りにして散らすと風味がアップします。僕は黒胡椒が好きなのでレシピに含めましたが他には炒りごまを加えるのもおすすめです。