今ではすっかり様変わりしてしまいましたが21世紀になったばかりの頃(ドラマ「電車男」をやっていた頃)、秋葉原(アキバ)は独特の熱気に溢れる街でした。
電気屋街はアニメやゲーム、フィギュアのショップで溢れかえり、集まってくる若者は独特のダサいファッションを良しとするオ
タク達。一般人はお断り的な妙に排他的な空気を纏うエリアでした。
人が集まるところに必ず現れるのは食べ物を扱う商売。ご多分に漏れずアキバにも独特の食文化が数多生まれました。
「ダイエットってなんだっけ」って言いたくなるような高カロリーな料理を出す店が多かった気がするのは気の所為……じゃないよなぁ。
ラーメンを筆頭に肉系の定食や丼。ケバブの屋台が誕生したのもアキバじゃなかったかな。
逆におしゃれなカフェやスイーツのお店なんかとは無縁の街でした。
ま、それもメイド喫茶の登場でまた一変しちゃうんですけど。あの頃からアキバは様変わりしていったよなぁ。
アキバの食文化を語る上で外せないもうひとつの要素は自販機。
売られているものが独特でした。
清涼飲料水の自販機なんだけど3段全てドクターペッパーなんてのもあってアキバらしいなぁとか思いましたっけ。
食べ物の自販機だと、ミニおでんが詰まった缶詰。いわゆるおでん缶が異彩を放っていました。
僕も東京に転勤したばかりの頃、お上りさんよろしくアキバに行ってわざわざ買った覚えがあります。
熱々でけっこう美味しかったな。
おでん缶と両翼を担った食べ物缶といえばやはりラーメン缶でしょうか。
要はラーメンの缶詰でお金を入れてボタンを押せば熱々のラーメンが入った缶詰が出てくるという。
「そんなの麺が伸び切ってるやん」と言うなかれ。その麺には秘密の食材が使われていたのです。
小麦粉を練って作った麺ではなく素材はこんにゃく。糸こんにゃく、いわゆるしらたきを使ったラーメンだったのです。
火も水もないところで熱々のラーメンが食べられたら楽しいじゃないか──そんなコンセプトで考案されたらしいのですが、思いついた人は天才だな。
【材料】(1人分)
-調理時間:7分-
- 糸こんにゃく:150g
- ロースハム(又はチャーシュー):2枚
- 刻みネギ:少々
- ホワイトペッパー:少々
[温玉パート]
- 卵:1個
- 水:15g(大匙1)
[スープパート]
- 水:300g(カップ1.5)
- 塩:2g
- 鶏ガラスープの素:3g
【作り方】
- 小鍋に湯(分量外)を沸かして糸こんにゃくを入れ5分茹でてアク抜きをします。
- 1.をやっている間にハムは半分に切ってオーブントースターで焼き目が付くまで炙ります。[温玉パート]を湯呑に入れて電子レンジの500ワットで30秒チンします。[スープパート]を鍋に入れてひと煮立ちさせます。
- 丼に水気を切ったしらたきを入れて[スープパート]を注ぎます。ハムと温玉を茹で汁ごと載せ刻みネギを散らしてホワイトペッパーを振ればできあがり。
【一口メモ】
- こんにゃくが淡白な風味なのであっさり系の白湯(パイタン)スープに仕上げてみました。ホワイトペッパーが良いアクセントになって刺激的。
- ハムは生で使うより炙ると旨味が増します。温玉はしっかり火を通さないのがコツ。卵黄が生に近い状態なのでこれを崩しながら食べると味が徐々に変化していって楽しいですよ。
- このレシピの段取りポイントは工程1.でこんにゃくのアク抜きをやっている間に具材やスープをこしらえること。インスタントラーメン的手早さで戴きますできます。
- スーパーなどでラーメンスープの素のみの小袋が売られているのを見かけました。醤油、塩、味噌、豚骨など各種揃っているのでお好みの味を買ってきていろいろ楽しんでみてください。