日本は四季のはっきりした国で四季折々に様々な気候、天候を楽しむことができます。
なので、江戸の昔から「季節を楽しむ」ことを風流とする文化が培われていたような気がします。
料理の世界も例外ではなく名前に空模様を含むものが多くあります。
曰く、通り雨のようにいろいろな味が喉を通り抜けていく「時雨煮」(注:時雨煮の語源は諸説あり、これはその一つです)。
大根おろしを雪まじりの雨に見立てた「しぐれ」。
大量の大根おろしを鍋に張った「雪鍋」。
熱した油で豆腐を炒める時に大きな音がするのでその名が付いた「雷豆腐」。
昔は天気の良し悪しがその日の暮らし方や用事の済ませ方に直結していたので、今以上に人々は空模様に敏感だったのかもしれませんね。
そして、これもお天気の名前を持つ料理の一つ。秋に筋子を買って、いくらの醤油漬けを作ると食べたくなる一品です。
【材料】(1人分)
-調理時間:3分-
- いくらの醤油漬け:適宜
- 大根:2cmくらいの輪切り
- 刻み葱:適宜
【作り方】
- 大根は皮をかつらに剥いて、すりおろし、小鉢に張ります。
- いくらの醤油漬けをちらして漬け汁をかけ、刻み葱を散らせばできあがり。
【一口メモ】
- 大根の甘みと辛みを楽しむ料理です。なので、醤油をどぼどぼかけるのはお薦めしません。いくらの漬け汁を少しかける程度で十分。あとは、口の中でいくらを潰しながら大根本来の味を楽しんで下さい。
- 料理と言えるほどのものでもありませんが結構良い肴になりますよ。
- 雪道に散り落ちている南天の実。なんて、見立てはうがちすぎでしょうか?
- 大根は葉に近い方が甘くて大根おろしに向き、先っぽの方が辛くて煮物に向きます。できるだけ葉に近い部分を使って下さい。
- 葉付きの大根であれば葉を油で炒めて細かく刻み、刻み葱の代わりに使ってもOK。この場合は葉は醤油か塩で味付けして下さい。