東海道五十三次。
その名の通り江戸時代に整備された東海道には53の宿場がありました。
ま、正確に言うと起点の日本橋、京都の三条大橋もカウントに入っているので宿場は51かな。
で、日本橋から数えて二十番目の宿が丸子宿(鞠子宿)。
所在は今の静岡県になります。
ここに丁子屋という飯屋さんがあって今も脈々と続いて元気に営業しているそうな。
400年以上続く飲食店ってなにげにすごい。
東海道中膝栗毛にも登場するこの店のウリはとろろ汁。
自然薯をすりおろして作るとろろをご飯にたっぷりかけて醤油を垂らして頂く──なんか書いているだけでもごくりと生唾呑んじゃいました。
こんなの美味しいに決まってるじゃん。
弥次さん喜多さんが楽しんだだけじゃなくて安藤広重の絵にもこのお店は出てくるし梅若菜丸子の宿のとろろ汁なんて句を松尾芭蕉は詠んでいます。
よっぽど気に入ったのかな。
過日、例によってテレワークのランチタイム。
なんか袋入りラーメンが食べたい気分。
けど、素ラーメンは寂しい。
野菜室に山芋があったのを思い出してこんな一杯を作ってみました。
行ったことはないけれど遠い宿場町で400年以上とろろ汁を提供してきた飯屋さんに敬意を込めて。
【材料】(1人分)
-調理時間:100分-
- 袋ラーメン(塩味):1袋
- 山芋:4cm
- 卵:1個
- 柚子胡椒:茶匙1杯
- 柚子果汁:5g(小匙1)
- 青海苔:適宜
【作り方】
- 小鍋に規定量のお湯(分量外)を沸かしてラーメンを作ります。
- 1.をやっている間に卵は黄身と白身に分けて白身はボウルに入れて1分泡立て軽いメレンゲ状にします。これに山芋をすりおろし、柚子胡椒、柚子果汁を加えてよくまぜておきます。
- 黄身を湯呑に入れて大匙1の水(分量外)を加えて電子レンジの500ワットで20秒チンします。
- ラーメンを丼によそい2.を水面にそっと流し込むように加えます。青海苔をちらして仕上げに黄身を湯呑内のお湯ごと載せればできあがり。
【一口メモ】
- 何が面白いって見た目ではわかりにくいのですがこのとろろ、カッチリと固まっているのです。白身を含んだとろろ汁を熱々のラーメンに入れるのですから当たり前。けど、こんな食感初めてかも。
- まずは柚子風味のとろろ汁と塩ラーメンのコンビネーションを堪能してください。柑橘系のキリッとした風味が塩味を引き締めてくれます。それから黄身を少しずつ崩しながら頂くと味がどんどんマイルドになっていくのが楽しめます。
- この料理のコンセプトは熱々ご飯にとろろ汁です。なので柚子を抜いて醤油ラーメンというチョイスの方が王道かも。あと、蕎麦でやっても楽しいと思いますよ。