あなたが初めて食べた丼料理は何ですか?と、訊かれたらなんて答えるかしらん。
ふと、そんなことを考えました。
たぶん、母が家で作ってくれた親子丼か何かじゃないかなとまず思いました。
では、お店で食べた丼料理なら何?
と訊かれたら……「吉野家の牛丼」と答えるような気がします。
高校の下校時に小腹が空いて寄り道した記憶があります。
あのころテレビではやたら「牛丼一筋80年」のCMソングがかかっていたなぁ。
その直後、会社再生法を申請してつぶれちゃったのにはびっくりしたけど。
大学時代は近所のかつ丼屋の虜になってよく通いました。
社会人になってからもランチは何度かに一度は丼だったような気がします。
考えてみると初めて吉野家の牛丼を食べてから約40年。
丼料理とは浅からぬ付き合いをしてきたなぁ──なんてしみじみ思ったりして。
何よりご飯とおかずが同時に食べられるクイック感が好きなんですよね。
そしてトッピングがバラエティに富んでいるのが楽しい。
牛丼、天丼、海鮮丼を皮切りに丼もののお店にはお客の想像力と好奇心をかきたてるメニューがずらりと並んでいます。
仕事がテレワーク主体になってからもおうちランチでよく丼ものを作ります。
限られた調理時間を考えるとご飯におかずを載せてインスタント味噌汁をすすりながら食べるというスタイルはとても合理的なのです。
それだけでなくおかずにするにはちょっとボリュームが寂しい残り物の食材もご飯のトッピングにすれば十分ボリューミーになるのが嬉しい。
ということで、とある平日、残り物の鶏むね肉を使ってこんな丼を作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:18分-
- ご飯:1膳分
- 鶏むね肉:100g
- 塩、粉山椒:少々
- しめじ:数本
- 刻み葱:少々
- 水溶き片栗粉:6g分(小匙2分)
[餡パート]
- 水:120g
- 鶏ガラスープの素:3g
- 濃口醤油:3g(小匙1/2)
- おろしにんにく:ひとかけ分
- おろし生姜:ひとかけ分
【作り方】
- 鶏肉は観音開きにして厚みを均一にしながら薄く広げます。これに塩、粉山椒をまぶします。
- 冷たいフライパンに1.を皮を下にして置き弱火で10分焼きます。ひっくり返して更に5分焼きます。待っている間に丼にご飯をよそい、[餡パート]を合わせておきます。
- 2.の鶏肉を1cmの小口切りにして丼にトッピングします。フライパンは洗わずにしめじを加えて中火で軽く焼き色が付くまで炒めます。これに[餡パート、を加えてひと煮立ちさせ水溶き片栗粉を加えてとろみを付けます。
- 3.の餡を丼にたっぷりかけて刻み葱を散らせばできあがり。
【一口メモ】
- 塩ダレ系の餡掛け丼です。醤油の甘辛系も悪くないけどたまにくどくない味付けも食べたくなります。それでいてにんにく、生姜を利かせているのでけっこうがっつり風味なのが嬉しい。
- 鶏肉はフライパンが冷たい状態からじんわり焼くコールドスタートというテクニックを使っています。こうすると表面がカリカリになって炭火焼っぽい焼き上がりになるのでおススメですよ。
- しめじはけっこう油を吸いますのでフライパンは洗わずに鶏の脂を吸わせて餡の旨味に加えちゃいましょう。
- 鶏肉を焼くのに少し時間がかかりますのでテレワークのランチにするのなら仕事の合間に工程1.~2.だけ済ませておきましょう。鶏肉が冷めてしまっても上から熱々の餡をかければ問題なし。お昼休みには5分ほどで戴きますができちゃいますよ。
- お好みで[餡パート]にレモン果汁を5g(小匙1)加えるとさっぱり感が増してまた楽しいです。