「日本の植物学の父」と呼ばれる牧野富太郎博士は明治維新直前に生まれ昭和まで活躍した植物学者の草分け的存在です。
ある時、彼はとある詩人が書いた詩の一節に激怒したとか。
「名もなき花とはなんだ! 名前が付いていない花なら新種発見の大事件だぞ。名も知らぬ花と書け」いやいやいやとツッコみたくなりますよね(なんか切れ方が海原雄山みたいだし)。
前後の文脈がわからないので明言できませんがこの「名もなき花」はおそらく擬人法です。
で、ここでいう「名」とは氏名とかそういう意味ではなく「名のある剣豪」とか「身を立て名をあげ」といった風に使われる名声、ほまれという意味。
「名もなき花」とはそれを持たない一市民を指す比喩でしょ──なんて小学生を諭すみたいに教えてあげたくなります。
ま、学のある方ですからわかってて言った可能性もありますが。
とまれ確かに植物なら誰かが名前を付けていて当たり前、誰も名前を知らない見たこともない植物なんてものがあれば世紀の大発見となる理屈はわかります。
けれど料理の場合はそうでもない。
なんとなく適当に作っておかずには名前が付いていない方が普通かも。
とある晩御飯。
主菜にロースかつと千切りキャベツを用意したのですが副菜をつくるのがおっくうになりました。
で、適当に作ったのがこの料理。
「名もなき料理」のままでは可哀そうなのでちょっと長ったらしいけどこんな名前を付けてみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:7分-
- 山芋:3cm
- 椎茸:1枚
- 卵:1個
- サラダ油:4g(小匙1)
[調味料パート]
- ウスターソース:18g(大匙1)
- 粗挽きブラックペッパー:少々
- クミンパウダー:少々
【作り方】
- 山芋は短冊に切ります。椎茸はスライスします。卵はよく溶いておきます。
- フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ山芋と椎茸を加えて2分炒めます。[調味料パート]を加えて水気が半分くらいになるまで炒めます。
- 2.に卵を流しいれてそのまま10秒ほど焼きざっと混ぜて卵に火を通せばできあがり。
【一口メモ】
- 思い付きであり合わせを炒めただけの料理です。それでも数分で一品作れると思えばそれなりに知っておいて損はないレシピかも。
- 味は焼きそば風でけっこうスパイシー。その秘密はウスターソース。火を通すと香りが立ってくるので刺激が欲しい時の炒め物には重宝します。
- この日はロースカツを作ったのですが衣に使った卵の残りを消費したくてこの料理を作りました。何かのはずみで卵液が中途半端に残った時におススメのレシピです。
- 山芋がメインの料理ですが合わせる具材はあり合わせでなんでもあり。キャベツやシメジなどのキノコ類ともよく合います。