「もはやこれまでか……」
冷蔵庫の扉を開けて、思わずそうつぶやいたことはありませんでしょうか。
上から下まですっからかん。
これでは料理の作りようがない──
なんて時に出てくるセリフですが(って、普通言わないよ(笑))、実はそう思える状態になっても、まだなんとかなる**“お助けアイテム”**が隅の方に鎮座している可能性が、けっこう高かったりします。
「うちは冷凍食品とレトルトだけは切らさないようにしているから大丈夫」
なんてお家が多数派を占める昨今では、確かにそんな状況になることは滅多にないと思うのですが、わが家のように冷凍食品もレトルトも長らく買ったことがない家庭だったとしても、意外と何とかなるアイテムが残っているものなのです。
お助けアイテムの筆頭は、なんといっても**卵(鶏卵)**でしょう。
これが1個あれば、ミニ出汁巻き卵、スクランブルエッグ、中華卵焼き(天津飯の上に載ってるやつ)などなど、和洋中なんでもござれです。
野菜類なら、きゅうり、山芋、オクラあたりは切って盛り付けて醤油をかければ、一瞬で一品完成。
このあたりを常備しておけば、心強い味方になってくれます。
お肉類なら、ひき肉が少量でも残っていると安心。
たとえば、おかずなしで白ご飯とインスタント味噌汁のみ──
という、なんともわびしい食事でも、ひき肉が20gくらい残っていれば、ご飯と一緒に炒めてチャーハンが作れちゃいます。
似た発想でツナ缶なんかも、おかずやサラダの**“にぎやかし”**に持ってこいなアイテムですね。
加工食品ならば、豆腐やキムチも優秀。
ちょっと変わったところではもずく酢。
3個パックで100円くらいと高コスパ、しかも味付きなので調味料要らず。
山芋やオクラを刻んで和えるだけで、夏向けのおかずが完成です。
そして──納豆。
ご飯に載せるだけでなく、納豆パスタ、納豆汁、納豆チャーハンなど主食やスープに大活躍。
他のおかずに混ぜ込むと風味ががらりと変わって、また楽しい。
この料理のように丼ものにすれば、料理のグレードが1ランクアップします。
けどまあ……さすがに冷蔵庫が本当にすっからかんになったら、買い物に出かけるのが吉なんでしょうね(笑)
【材料】(1人分)
-調理時間:12分-
- ご飯:1膳分
- 牛もも肉または牛こま:50g
- 納豆:1パック
- エリンギ:2cm分
- ピーマン:半個
- セロリの茎:2cm分
- サラダ油:12g(大さじ1)
- 豆板醤:3g(小さじ1/2)
- 刻み葱:適宜
[牛肉の下味パート]
- マヨネーズ:6g(大さじ1/2)
- 片栗粉:3g(小さじ1)
- 塩、ブラックペッパー:少々
[調味料パート]
- 生姜みじん切り:スライス1枚分
- にんにくみじん切り:スライス3枚分
- 片栗粉:3g(小さじ1)
- 水:30g(大さじ2)
- 濃口醤油:18g(大さじ1)
- 酒:5g(小さじ1)
- 砂糖:3g(小さじ1)
【作り方】
- 牛肉は食べやすい大きさに切ります。エリンギ、ピーマン、セロリの茎は千切りにします。牛肉と[牛肉の下味パート]を合わせてよく和えておきます。納豆は添付のタレ、辛子などを加えてよく練っておきます。
- フライパンにサラダ油を入れて中火にかけます。肉の色が変わり始めたらエリンギ、ピーマン、セロリを加えて1分炒めます。
- 2.に豆板醤を加えて炒めながらざっと混ぜます。更に[調味料パート]を加えて水気がほぼなくなるまで炒めます。火を止めて、納豆を加えてざっとひと混ぜします。
- 丼にご飯をよそい、3.を盛り付けて刻み葱を散らせばできあがり。
【一口メモ】
- 全体としては中華テイストの丼。ちょっと手が込んでいるけど、作って損なしの旨さです。
- 納豆が風味に複雑さを加え、あるのとないのとでは印象ががらりと変わります。他の料理にも応用可能なテクです。
- 納豆に含まれるナットウキナーゼは70℃以上で失活するため、火を止めてから加えましょう。