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野菜料理(洋食)

茄子のムサカ

とあるバラエティー番組のトークコーナーにて。

女性タレントが"今でもお父さんとお風呂に入る"というネタで盛り上がっていたそうな。

ま、そこまでだったらありがちなシーンだと思うのですが、別の女性タレントの発言が場を凍り付かせました。

「ええ! お正月でもないのに?」

真顔で質問する彼女を見て一同、彼女の意図を正しく理解した模様。

この人の家ではお正月は家族とお風呂に入るものらしい──、と。

人は誰しも自分の知見が他者の知見と一致していると思い込むものらしい。

つまり、僕の常識は世間の常識というわけですね。

ところが、時にその思い込みは思わぬ失敗を招くこともあるのです。

たとえば、あなたがたぬきうどんを食べたいと思ってうどん屋に入ったとします。

けれど、いきなり注文してはいけません。

まずはその店がどこにあるのかを思い出しましょう。

その店が関東にあるのなら"たぬきうどん"を注文すると揚げ玉の載ったうどんが出てきます。

あなたが関西出身なら「なんでハイカラうどんが出て来るねん」と嘆くことになるでしょう。

逆にその店が関西のお店ならうどん揚げの載ったうどんが出てきます。

「いや、これはきつねじゃん」と関東出身のあなたが嘆いても後の祭り。

同じ料理名なのに土地土地で違う料理を指すなんてことは案外よくあることなのです。

例えばあなたが北海道を旅行していて「冷やしラーメン」の幟(のぼり)に惹かれて町中華の暖簾をくぐったとします。

「こんなところまで来て山形名物の冷たいラーメンが食べたいなんて」

と独り言ちながら嬉々として待っていると……。

出された料理はまごうかたなき"冷やし中華"。

関西で言うところの"冷麺"だったりするのです。

そう、北海道では関東で言うところの冷やし中華のことを冷やしラーメンと呼ぶらしい。

似たようなことは外国でも起きます。

たとえばムサカは東地中海沿岸で広く食べられる野菜料理ですが国によってだいぶ中身が違います。

ギリシャではナス、ジャガイモ、ひき肉、ベシャメルソース(ホワイトソース)、チーズを重ねて焼き上げた料理です。

トルコではナス、ひき肉、トマト、玉ねぎなどを炒めて焼く、または重ねて焼きにしたもので、ベシャメルソースは使いません。

バルカン半島ではナスやズッキーニの代わりにジャガイモを使うことが多く、一番上の層にカスタードやヨーグルトが使われることもあります。

アラブ諸国では、トマトとナスやズッキーニを使った温かいサラダのような料理をムサカと呼び、これはフランスのラタトゥイユに似ています。

名前は一緒なのに国によってこれだけバラバラというのがなんとも面白い。

歴史や地理、風土を紐解いていけばバラバラになった理由が見えて来るのかな。

またいつか試してみましょう。

ともあれ、僕はバルカン半島バージョンのムサカは作ったことがあるのですが日本でおそらく一番メジャーな、ギリシャ版、トルコ版というのを作ったことがなかったのです。

過日、茄子が安かったので購入。

せっかくなので茄子のムサカにチャレンジしてみました。

【材料】(1人分) 

調理時間:30分-

  • 茄子(中サイズ):1本
  • 牛ミンチ:100g
  • スライスチーズ:1枚
  • トマト缶(ダイスカット):1/4缶(約100g)
  • 玉ねぎ:1/4個
  • セロリの茎:3cm分
  • にんにく:ひとかけ分
  • オリーブオイル:12g(大さじ1)
  • 赤ワイン:15g(大さじ1)
  • 揚げ油:48g(大さじ4)

[調味料パート]

  • コンソメスープの素(顆粒):3g
  • 塩、ブラックペッパー:適宜
  • ドライバジル:少々
  • ナツメグ:少々
  • オレガノ:少々

【作り方】

  1. 茄子はがくを取って7mm厚の斜め切りにします。玉ねぎ、セロリの茎、にんにくはみじん切りにします。スライスチーズは細切りにします。
  2. フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて弱めの中火にかけます。香りが立ってきたら玉ねぎ、セロリを加えて1分炒めます。
  3. 2.に牛ミンチを加えて赤ワインを振りかけ肉の色が変わるまで炒めます。これにトマト缶と[調味料パート]を加えて水気がほぼなくなるまで煮込みます。
  4. 3.と並行して別のフライパンに揚げ油を入れて強火で1分半温めます。これに茄子を加えて片面1分半、ひっくり返して1分半、揚げ焼きにします。
  5. オーブンを200度に予熱します。耐熱皿に茄子の1/3量を敷き詰めます。その上に3.の半量を均等に敷き詰めます。その上に茄子の1/3量→3.の残りを敷き詰め最後に一番上に茄子を敷き詰めます。その上にスライスチーズを並べます。 ※文章だとわかりづらいのですが、重ね順は下から茄子→ミートソース→茄子→ミートソース→茄子→チーズとなります。
  6. オーブンが温まったら5.を入れて15分焼けば、できあがり。

【一口メモ】

  • ひき肉とありふれた野菜が材料なのでコストは安めなのですが仕上がりはゴージャス。ミートソースって偉大だなぁと感動する1品です。
  • ミートソースを作るのが面倒という方は缶詰やレトルトのミートソースを使うとかなりお手軽にできちゃいますよ。
  • 茄子は揚げ焼きにする手順にしていますがこちらも面倒であればオリーブオイル12g(大さじ1)で焼く(というか炒める)手順に替えてもOKです。茄子は油と相性がよくてあっという間に吸ってしまうのですがオリーブオイルを使うと風味よく仕上がります。

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