ぶぶ漬けというのは京言葉で「お茶漬け」のこと。
わりと有名な話かもですが京都の知人宅などを訪問していて「何にもおへんのどすけど、ぶぶ漬けでも一杯いかがどすか?」と言われたら「そろそろ帰れ」という意味だとか。
ほんとに使われているのかな(笑)
この都市伝説めいたワードには続きがあって、相手の意図を察して「また、今度」と立ち上がると「いやいや、まあそう言わんとぶぶ漬けでも」と言われ、「いや、すっかり長居してしまいしたわ。また、今度戴きますよって」と返す。
これを何度か繰り返してようやくお暇できるとか……
って、めんどすぎんだろうがよ。
とまれ、お茶漬けはたまに無性に食べたくなる食べ物です。
僕の知人のドクターに言わせると消化に悪いので食べちゃいかんのだそうですが、僕なんかは天の邪鬼なのでそう言われるとなおのこと食べたくなります。
過日、天ぷら屋で天丼を頼んだのですがこれがとんでもなくつゆだく──というかつゆだくというのもおこがましいぶぶ漬けのような天丼でした。
ところがこのつゆが絶品でヤミツキになっちゃった。
もしかしてこれは他の丼物にも応用が効くのでは?
と考え、冷蔵庫に豚肉が残っていたので試作してみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- ご飯:1膳分
- 豚こままたは豚バラ:150g
- 白菜:1枚
- 玉ねぎ:1/4個
- 水溶き片栗粉:3g分
- 粗挽きブラックペッパー:適宜
[スープパート]
- 水:200g(カップ1)
- バター:5g
- ラード:3cm
[調味料パート]
- 蕎麦の本返しまたはめんつゆ:大匙1
- 砂糖:4.5g(大匙1/2)
[仕上げパート]
- 味噌:3g(小匙1/2)
- オイスターソース:3g(小匙1/2)
- 水:15g(大匙1)
【作り方】
- 豚肉は食べ易い大きさに切ります。白菜はざく切りにします。玉ねぎは細切りにします。
- 鍋に白菜、玉ねぎ、[スープパート]のバター、ラードを入れて中火にかけ白菜が少ししんなりするくらいまで炒めます。これに[調味料パート]と豚バラを加えて強めの中火で1分炒りつけます。[スープパート]の水を加えてひと煮立ちさせアクを取って弱火で10分煮込みます。
- 2.を強火にかけて再度沸騰させます。これに[仕上げパート]を加えてさっと混ぜ更に水溶き片栗粉を加えてとろみを付けます。
- 大きめの丼(できればラーメン鉢)にご飯を盛り付け3.の汁をご飯の周りに注ぎます。3.の具材をご飯にこんもり載せて粗挽きブラックペッパーを振ればできあがり。
【一口メモ】
- 甘めの味付けですき焼きをご飯にぶっかけたような料理になりました。これは日本人の好みにめっちゃ合いそうなお茶漬け丼かも。
- 時間に余裕があれば工程2.の後、1時間ほど放置してください。味がよく染みて更に美味しくなります。
- この料理のモチーフは肉じゃがです。バターやオイスターソースは肉じゃがの隠し味によく使われるアイテムなんですよ。
- 熱々で頂くとより美味しく感じられます。ご飯も熱々に。丼も温めてからスープを注いでください。