誰しも旅行に出かけて見知らぬ街を歩くと普段住んでいる街ならぜったいにしないだろうなと思える冒険をしたくなるものです。
僕の場合、その冒険は食い気にばかり働くようで普段なら素通りするような飲食店の暖簾をくぐる誘惑にいともたやすく負けてしまいます。
それと似た心理だったんじゃないかなと思うのですが関東に転勤してからこちら食べ歩きがすっかり板についてしまいました。
仕事で、あるいは観光で知らない場所に行くとまず探すのはランチを楽しめる飲食店。
そのうち、わざわざ目的の飲食店に行くためだけに見知らぬ街に出かけて行ってついでに観光をして帰ってくるという本末転倒な週末を過ごしたりするようにもなりました。
食べ歩きも慣れてくると魅力的なお店がかたまっているエリアというものがわかってきます。
そういった街には何度も足を運ぶようになるので俄然僕の食べ歩きメモもその街の情報ばかり分厚くなっていっていました。
東京駅のほど近く。
有楽町の隣駅。
新橋もそういった街のひとつでした。
なにしろ東京屈指の広大なオフィス街のおひざ元。
サラリーマンの財布に合わせた価格帯の名店がずらりと……
いや、ずらずらずらっとひしめいている街なのです。
なかんずく僕が愛してやまなかったお店は駅前にある「豚大学」。
メニューは豚丼のみの専門店。
炭火で炙り焼いたでっかい豚バラ肉を惜しげもなく載せたあの丼を思い浮かべるだけで口の中につばが涌いてきます。
関西に戻って容易には行けなくなったあの店の味が恋しくて、過日こんな丼を作ってしまいました。
いつか、関西にも進出してこないかな。
【材料】(1人分)
-調理時間:25分-
- ご飯:1.5膳分
- 豚バラスライス(厚切り):150g
- 塩、ブラックペッパー:
- 青梗菜:半株
- にんにく:ひとかけ
- ごま油:6g(大匙1/2)
- (お好みで)粗挽きブラックペッパー:適宜
- (お好みで)粉山椒:適宜
[調味料パート]
- 濃口醤油:24g(大匙1+小匙1)
- オイスターソース:6g(小匙1)
- 酒:15g(大匙1)
- 味醂:9g(大匙1/2)
- はちみつ:7g(小匙1)
- 砂糖:3g(小匙1)
【作り方】
- 豚肉を食べやすい大きさ区に切り、塩、ブラックペッパーをまぶします。にんにくをみじん切りにします。
- 冷たいフライパンにごま油、にんにくを入れて上から豚肉を重ならないようにならべます。これをごく弱火にかけて10分かけて焼きます。更にひっくり返して5分焼きます。待っている間に青梗菜は葉と茎に分けてざく切りにします。
- 2.に[調味料パート]を加えて水気がほぼなくなるまで炒めます。これをご飯を盛った丼に載せます。
- 3.のフライパンを洗わずに青梗菜の茎を加えて中火にし、1分炒めます。更に葉を加えて30秒炒めます。これを3.の丼にトッピングすればできあがり。お好みで粗挽きブラックペッパー、粉山椒を振って頂きます。
【一口メモ】
- カリカリに焼けたにんにく風味の豚肉が旨い! めちゃ旨い。ランチにがっつり系のご飯ものが欲しくなった時にはおススメの一杯です。
- 調理のポイントは工程2.。フライパンが冷たい状態から弱火で時間をかけて肉を焼くことで焦がさずカリカリに仕上がります(コールドスタートという調理法です)。こうすると炭火焼風になるんですよ。
- 豚肉だけでは栄養が偏りますので青物を添えるのも豚丼の定番。青梗菜の代わりに同じアブラナ科の小松菜を使ってもOKです。手持ちのある方でどうぞ。
- 卵黄が半熟状態の温玉を載せて味変を楽しみながら戴くのも贅沢で美味しいですよ。
- 粗挽きブラックペッパー、粉山椒は定番ですが炒り胡麻や七味唐辛子などの薬味もイケます。