僕の父は香川県坂出市の出身。
母は徳島市の生まれですが母の両親は二人とも香川県の出身です。
必然的に僕の親類縁者は香川県に集中していて子供の頃は毎年親に連れられて里帰りしておりました(厳密には親の里帰りで僕は神戸生まれなので里帰りとは言えないのですがw)。
なので香川の風物や名物料理にはそれなりに触れてきたつもりなのですが最近ネットで見かけた
「香川名物かしわバター丼」
……?? 聞いたことがないなぁ。
とはいえ親に連れられて疑似里帰りをやっていたのは小学生くらいまでですから単に子供の僕が口にしていないだけということもあり得る。
けど「かしわバター丼って知ってる?」と身内に訊きたくても祖父母や父をはじめ皆さまとうに鬼籍に入られていて不可能。
唯一存命の母は徳島生まれの徳島育ちなので知らない可能性が高い。
ま、実際それなりに認知度の高い料理らしいので僕が知らないだけでそういう郷土料理があるのでしょう
──そう考えてこの話はおしまいになるところだったのですが……ちょっと待て。
ホントにお前は知らないのか?
小学校の頃の微かな記憶が蘇りました。
坂出在住のおじさんの運転で出かけたドライブ。
国道沿いの定食屋。
そこで食べた鶏肉料理。
あのやたら濃い味付けの甘辛い鶏料理こそがかしわバター丼の原型ではないだろうか。
あの時食べた料理はご飯、汁物、おかずと別皿に分けられた定食のスタイルだったけれど丼にご飯をよそってあのおかずをそれに載せたらこんな感じになるかも。
どうにも気になったのでネットでレシピを調べて思い出の料理かもしれない丼物を試作してみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:35分-
- ご飯:1膳分
- 鶏もも肉または胸肉:150g
- オリーブオイル:6g(大匙1/2)
- 刻み海苔:適宜
- 刻み葱:適宜
- 粗挽きブラックペッパー:適宜
[下味パート]
- 塩:1g(小匙1/6)
- 酒:7.5g(大匙1/2)
- 味醂:6g(小匙1)
- おろしにんにく:半かけ分
- おろし生姜:半かけ分
- ブラックペッパー:小匙1/2
[調味料パート]
- 濃口醤油:12g(小匙2)
- バター:10g
【作り方】
- 鶏肉は皮付きのまま1cm幅に切ってビニール袋に入れます。これに[下味パート]を加えてよく和え冷蔵庫で10分漬け込みます。
- 1.の鶏肉とオリーブオイルを冷たいフライパンに入れよく和えます。鶏の皮目を下にして重ならないように並べます。これをごく弱火にかけて10分いじらずに焼きます。ひっくり返して更に5分焼きます。
- 2.に[調味料パート]を加えて中火にし水気がほぼなくなって照りが出るまで炒めます。
- 丼にご飯を盛り刻み刻み海苔を敷き詰めます。この上に3.を盛り付け刻み葱と粗挽きブラックペッパーを散らせばできあがり。
【一口メモ】
- めちゃ濃厚なバター醤油風味の丼です。ダイエット中の人には天敵。けどお腹が空いていてなんかガッツリ食べたい時にはおススメですよ。
- この丼は香川県のB級グルメだそう。小学校の頃に香川に行ったときに親戚に連れられて行った定食屋の鶏料理の進化系かもしれません。実食してみたけど記憶が古すぎてイマイチ事の真相はわからなかった。けどちょっと懐かしい味がした気がします。
- 小学校の時に定食屋で食べたその料理はもっと味が濃かったんですよね。これを試作する際に参考にしたレシピも醤油の分量がこのレシピの1.5倍でした。なので香川で本場物を実食するともっと濃厚かも。今回はさすがに辛すぎだろと思って醤油の量を控えています。
- 鶏肉の火入れに冷たいフライパンに鶏肉を載せてごく弱火で時間をかけて焼くコールド・スタートという技法を使ってみました。こうすると肉の表面がカリッと中はジューシーに仕上がります。