神戸市が発行している広報誌の名前は「広報紙KOBE」と言います。
けど、僕が小学生だった昭和の頃は記憶違いでなければ単に「こうべ」というひらがなの名前だったと記憶しています。
いつ頃変わったのかな?更に昔、実はこの広報誌は戦前からあってそのタイトルは「かふへ」でした。
言われなきゃ神戸とつながらない字面ですね。
以前、小説の題材にしたくてその戦前の広報誌のコピーを神戸市の中央図書館で読みました。
昭和14年頃の版だったかな。
六甲山ドライブウエーができたのでみんなでドライブに行きましょうとか、今月の映画情報とか、新興のデートスポット三宮の見どころとか──なんか日中戦争をやっていた雰囲気が微塵も伺えない内容でしたね。
いつの時代でも生活を楽しむ気持ちは変わらないってところかな。
中で市が企画した六甲山にハイキングに行こうという記事が記憶に残っています。
メインは山の上で頂く鍋料理。
酒は持ち込み可、材料は会費制だったように記憶しています。
鍋の種類はすき焼き。
但し牛すきではなく鶏すきでした。
ブロイラーのような安価な鶏肉が出回っていない時代だから高級肉だったんだろうな。
それ以外にも鶏卵がけっこう高かったり、逆に松茸が妙に安い値段設定になっているのが面白かったですね。
食材の値打ちも今とは随分違っていたみたい。
それから90年ばかり時代が下った現代、とあるランチタイム。
冷蔵庫を覗くと微妙に鶏肉が残っている。
おかずにするにはちょっと心もとない量で親子丼にでもするかなと考えていたのですが、ただの親子丼ではつまらない。
そこで90年前に六甲山で行われたハイキングに思いを馳せながらこんな料理を作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- ご飯:1膳分
- 鶏もも肉:80~90g
- 塩、ブラックペッパー:少々
- サラダ油:少々
- エリンギまたは椎茸:1本
- (あれば)白ネギ:10cm
[温玉パート]
- 卵:1個
- 水:20g(20ml)
[割り下パート]
- だし汁(鰹だし):80g(80ml)
- 濃口醤油:27g(大匙1.5)
- 砂糖:12g(大匙1+小匙1)
- 味醂:18g(大匙1)
【作り方】
- 鶏肉は切らずに塩、ブラックペッパーをまぶします。サラダ油を入れた冷たいフライパンに鶏肉を載せ弱火で10分いじらずに焼きます。鶏肉をひっくり返して5分焼きます。これをまな板に取って一口大に切ります。
- 1.をやっている間に[温玉パート]を湯呑に入れて電子レンジの500ワットで30秒チンして温玉にします。 ※白身の色が変わらない程度、ほぼ生に近い状態で止めるのがコツです。
- 1.をやっている間にエリンギまたは椎茸の石づきを取って5mm厚にスライスします。白ネギは斜め切りにします。[割り下パート]をフライパンまたは鍋に入れておきます。ご飯は丼によそいます。
- 3.の[割り下パート]を中火にかけ煮立ってきたら鶏肉、茸、白ネギを入れて3分煮ます。2.を水ごと加えてさっと混ぜてすぐに火を停めます。これをご飯に割り下ごとかければできあがり。
【一口メモ】
- めっちゃ濃厚な味のタレが楽しい。「すき焼き食べてる」感を満喫できる一杯です。割り下を吸ったエリンギも美味しかったな。
- 鶏肉は冷たい状態から弱火で時間をかけて焼くと表面はカリッと中身はジューシーに仕上がって美味しいですよ。
- これはすき焼きなので卵はガチの温玉にせず生卵に近い状態で仕上げました。黄身を混ぜ込んでいくと濃厚なタレがマイルドに変化して味変を楽しめるのもGOODです。
- しみじみ思うのですがすき焼きって牛肉を楽しむというよりあの割り下を楽しんでいる気がしちゃいます。その証拠に鶏肉でも十分美味しいじゃん^^