初期の美味しんぼのエピソードですき焼きやしゃぶしゃぶが海原雄山によってけちょんけちょんにけなされておりましたが、食文化に敬意を表するというあの作品のスタンスからすればちょっといただけないエピソードだったなぁと振り返って思います。
しゃぶしゃぶは戦後すぐくらいに考案された料理のようですが、食糧事情が良くなかった当時、肉をごく薄切りにして同じ量でも満足感が得られる工夫は考案者の努力が垣間見えて肉の旨味云々で一蹴して良いものではないと思うんですよね。
ちなみにしゃぶしゃぶのお鍋は真ん中に煙突が立っていますがあれは元々七輪に載せて作っていた関係で一酸化炭素中毒防止用のものだそうです。
なのでカセットコンロを使う今日日では意味のない形状なのだそう。
けどまあ、そういった歴史的遺物を楽しむというのも食事の醍醐味のひとつなのかもしれません。
で、しゃぶしゃぶの醍醐味といえばやっぱりタレですよね。
良い肉が手に入りにくい時代に考案された料理だからこそタレの調整に心血が注がれたのだと思います。
しゃぶしゃぶって肉料理だと思うから美味しんぼ的な発想が生まれるんじゃないでしょうか。
僕的にはあの料理はドレッシングをセットで楽しむサラダに近いものだと思っているのですがどうでしょう?
【材料】(2人分)
-調理時間:10分-
- 豚ロースまたはバラ極薄切り:200g
- 乾燥わかめ:ひとつまみ
- 野菜類:玉ねぎ、もやし、きゅうり、トマトなど適宜
[ドレッシングパート]
- 濃口醤油:12g(小匙2)
- 酢:15g(大匙1)
- 砂糖:6g(小匙2)
- ごま油:12g(大匙1)
- おろしにんにく:ひとかけ分
- コチュジャン:小匙2(なければ一味唐辛子少々)
- 炒りごま:小匙1
【作り方】
- 玉ねぎは薄くスライスして空気にさらしておきます。乾燥わかめは水で戻しておきます。肉を茹でる湯(分量外)を沸かします。
- 肉を湯に投入して色が変わったらすぐに引き上げザルに載せて粗熱を取ります。 ※もやしを使う場合はこのお湯で最初に1分茹でて火を通しましょう。
- 器に[ドレッシングパート]を合わせてよく混ぜます。肉、わかめ、野菜類を深皿またはサラダボウルに盛り付け[ドレッシングパート]を回しがければできあがり。
【一口メモ】
- 程よいピリ辛に酸味の強いドレッシングが肉の脂っこさを緩和して飽きずに食べられます。野菜もたっぷり摂れるのでサラダとはいえ主菜級のおかずになると思います。
- このレシピの段取りポイントはお湯が沸くのを待つ間に材料の下ごしらえと[ドレッシングパート]を合わせる作業を済ませること。これを並行でやらないと倍は時間がかかります。
- この[ドレッシングパート]は汎用性が高くて茹でた鶏肉にかけても美味しいですし、揚げた白身魚のタレにもなります。
- 野菜はできるだけ旬のものを使いましょう。夏ならトマトやきゅうり。冬ならレンチンして柔らかくした白菜などもオススメです。