僕は子供の頃から朝はトーストとコーヒー派です。
コーヒーはいつもホット(牛乳オンリーで砂糖は使わない)。
夏場でもアイスコーヒーを飲むという習慣がありません。
朝以外にコーヒーを飲む習慣もなかったので、僕がアイスコーヒーというものを初めて飲んだのは、ずいぶん大きくなってから──たぶん大学時代のことだったんじゃないかと思います。
それがいつのことかは忘れてしまいましたが、初めて飲んだ時の衝撃は今でも覚えています。
しかも、アイスコーヒー本体ではなく添えられていたものが衝撃的だったのです。
小さなミルクピッチャーが添えられているのはホットコーヒーと同じ。
けど、スティックシュガーの代わりに添えられていたのは液状のシロップでした。
砂糖と違って、一瞬で溶けてめっちゃ楽ちん!つい嬉しくてガムシロップを全部注ぎ込んだ甘すぎるアイスコーヒーを嬉々として飲みましたっけ。
そして、改めて気づいたのです。
僕は砂糖を加えた甘いコーヒーが嫌いだったわけではない。
ただ、よくかき混ぜないと味が均一にならない煩雑さが煩わしかっただけなんだって。
調味料は味を付ける手順で、2種類に分類することができます。
- 塩・砂糖・味噌のような固形で、“溶かす”必要のあるタイプ
- 醤油・ソースなどの液状で、加えるだけで味が均一になるタイプ
使われてきた歴史で言えば前者の方が長いものが多いのですが手順の煩雑さからか、今では敬遠されがちなものも少なくありません。
その最たるものが味噌じゃないかな。
昔はどこの家でも常備されていた調味料ですが、今では醤油はもとよりケチャップやマヨネーズよりも常備率が低いんじゃないかしらんと思っています。
そうなった理由のひとつが"溶かして使う"のが面倒ということなんじゃないかな。
近頃は液体味噌というのも売られていますが、賞味期限が短く、風味も本家の味噌に比べるとイマイチなものもあるとか。
中には5~7%くらいのアルコールを含むものもあって、そのまま使うとお酒に弱い人は酔っ払ってしまいそうです。
僕の知人にも奈良漬けで酔う人がいますが、間違いなく酩酊するんじゃないかな(笑)
とはいえ醤油では代替が利かず、味噌でないとダメな料理も実はたくさんあります。
例えば……
- 鯖の味噌煮。
醤油で作ると別の煮物になっちゃいます。
- 味噌漬け。
他の調味料を使ったら味噌漬けとは呼びがたい。
- 田楽味噌やふろふき大根。
これも味噌が必須ですね。
- ヴィーガン用のホワイトソース。
豆乳と味噌で作ると侮れない味に仕上がります。
そして、この料理。
納豆を具材にした蕎麦料理ですが、つゆに味噌を加えることで、風味がグンと複雑になって大人の味わいが楽しめます。
これもまた醤油では出せない風味だなぁ。
こういった料理が無性に食べたくなることがちょくちょくあるので、少なくとも我が家では味噌を切らしたことがありません。
【材料】(1人分)
-調理時間:-
- 蕎麦:1束
- 納豆:1パック
- 卵黄:1個分
- 刻み葱:適宜
- 刻み海苔:適宜
[つゆパート]
- かつお出汁:30g(30ml)
- 蕎麦の返しまたはめんつゆ:大匙2
- 味噌:6g(小さじ1)
【作り方】
- [つゆパート]は小ぶりの器に合わせてよく混ぜます。これを冷蔵庫に入れて冷やしておきます。
- 納豆は添付のタレ、辛子等を加えてよく混ぜておきます。卵は卵黄と卵白に分けておきます。 ※このレシピでは卵黄のみ使いますので卵白はスープの具材等に転用しましょう。
- 蕎麦を規定時間茹でて流水で〆、さらに氷水に浸けてしっかり冷します。
- 蕎麦をざるにあげてしっかり水切りし深皿に入れます。これに[つゆパート]を回しがけてよく和えます。中央に納豆を盛り付け真ん中をくぼませて卵黄を置きます。刻み葱と刻み海苔を散らせばできあがり。
【一口メモ】
- 【つゆパート】の味噌が良い仕事をしています。微かな甘みと渋みがつゆにコクを与え、味の単調さを払拭してくれます。
- 冷たさが信条の麺料理なので麺もつゆもしっかり冷やしていただきましょう。
- 茹でたささみを細かく刻んだものや、しっかり炒めた豚バラ肉をトッピングすると、料理のグレードが一段アップします。変わったところでは、カリカリに焼いたベーコンに粉チーズを振るという洋風アレンジもおすすめ。