和洋折衷(日本風と西洋風の様式を共に取り入れること)──という言葉は意外にも江戸時代に生まれたものらしいです。
と言っても黒船が来航して西洋の文化に触れるようになってからのことですから幕末ですね。
斎藤拙堂という朱子学者が両方の良いところを取り入れてより良いものを生み出そうという意味合いで提唱した言葉だそう。
残念ながら彼は1865年慶応元年に亡くなっているので明治時代は目撃できなかったみたいです。
ただ彼の残した「和洋折衷」という言葉は明治の代にも息づいていて料理やファッション、建築物などに多大な影響を与えることになります。
料理の世界で日本初(?)の和洋折衷ってなんだろうとつらつら考えてみたのですが明治8年に考案されて明治天皇に献上もされた「あんぱん」あたりが最古かもしれないと思いました。
当時流通していたパンは硬めでご飯の柔らかさに馴染んでいた庶民にはイマイチ評判が良くなかったらしい。
そこで酒饅頭から着想を得て米酵母を使った柔らかいパンを創出。
このパン生地であんこを包んで半ばお饅頭感覚で考案されたのがあんぱんの原型らしいです。
その後、洋食に圧されていると感じた蕎麦屋さんがかつ丼やカレー南蛮など和食の暖簾に洋食の風を吹き込ませるムーブメントがあったり湯島天神近くのみつばちという甘味処が小倉アイスを考案したり和洋折衷の料理たちは次々に開花していきます。
やがて──ナポリタンやドリアのように日本の西洋料理人たちが日本独自の洋食を考案するようになりもはや和洋折衷とも言い難い料理も登場してきました。
で、21世紀の今、もはや和風とか洋風という区別にあまり意味がないのではと思えるほど洋食は僕らの身近な食文化になってしまいました。
とはいえうどんが和の素材であることは変わらずジャーマンポテトが洋食であることも変わりなし。
こんな料理を出されたら「なんか新しい!」なんてちょっと嬉しくなるのは幕末の頃から変わっていない気がします。
【材料】(1人分)
-調理時間:8分-
- うどん(なま麺):1玉
- じゃがいも:中1個
- ソーセージ:2本
- オリーブオイル:4g(小匙1)
[調味料パート]
- コンソメスープの素(顆粒):小匙1/2
- 塩、ブラックペッパー:少々
- 粒マスタード:小匙1/2
- バター:5g
- 濃口醤油:6g(小匙1)
[仕上げパート]
- ドライパセリ:適宜
- (あれば)パプリカパウダー:適宜
- 粉チーズ:適宜(たっぷりめ)
【作り方】
- じゃがいもは皮を剥いてくし形に切り耐熱皿に入れてラップをかけ電子レンジの500ワットで1分半チンします。ソーセージは5mm厚の斜め切りします。
- うどんを皿に載せて電子レンジの500ワットで1分チンします。並行してフライパンにオリーブオイルを入れて中火にかけじゃがいも、ソーセージを加えて2分炒めます。これにうどんを加えてほぐしながら1分炒めます。
- 2.に[調味料パート]を加えて絡ませながら1分炒めます。これを皿に盛って上から[仕上げパート]をかければできあがり。
【一口メモ】
- もはや「うどんってなんだっけ」って言いたくなるようなビジュアルですが美味しい。うどんってそれ自体が淡白なのでどんな料理にでも馴染んじゃいますよね。
- うどんはそのままだとほぐれにくいので軽くレンチンしておくのがコツです。
- 自分的には粉チーズをたっぷり振るのが好み。風味の濃厚さがマシマシになります。
- お好みでタバスコを振っても美味しいですよ。