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中華・点心

蒸し鶏のねぎ塩レモン

子供たちにいじめられていた亀を助けた男がその亀にいざなわれて竜宮城に行くお話──

ご存じ浦島太郎の物語は最終的に竜宮城からこっちの世界に戻ってみたら700年の歳月が経っていたというどう考えてもバッドエンドっぽい終わり方をします。

(注:この筋立ては1928年刊行の『尋常小学国語読本』によるもので原典(実は日本書紀や万葉集には既にその記述があるらしい)からはだいぶ変わっているみたいですが)

ひとくちに700年と言ってもピンと来ないと思うのですが例えば太郎が竜宮城に行ったのが関ケ原の合戦(1600年)の頃だとすると彼が帰ってきた時代は2300年になります。

侍がなんか合戦をやってるなって時代の人が僕らが生きる現代より300年近い未来にタイムスリップするわけですから──控えめに言ってぶっ飛び過ぎだろと思っちゃいますね。

もうここまで来たら戻った時代が2200年だろうが3000年だろうがたいした違いはない気もするな。

ここまで極端ではないにしろ長らく行っていなかった場所に久しぶりに行ってみたらその変貌にびっくりするなんてことはよくある話です。

例えば今年(2023年)、仕事で岡山市に行くことがありました。

僕は1980年台の大学時代を岡山市内で暮らしたのですがそれから40年、岡山駅の西口に出たら……

「ここどこ?」

って思って立ち尽くしちゃいました。

プチ浦島体験だったなぁ。

スケールはちっちゃいけど。

場所だけでなくお店なんかでも同じことが言えます。

例えばコンビニエンスストアはその僕が岡山で暮らした1980年台に身の回りに登場し始めていました。

当時のコンビニは品揃えは貧弱だし値段は定価通りなのでスーパーより割高だし夜中に開いていること以外取り柄がない印象で全然コンビニエンス(=便利な,使いやすい,手ごろな)な感じじゃありませんでした。

その後、社会人になってからは実家暮らし、結婚してからもコンビニに行くという習慣はなく久しぶりに僕がコンビニエンスストアに行ったのは単身赴任を始めた2013年。

実に30年後のことでした────浦島太郎もかくやと思えるカルチャーショックを受けました。

なんなんだこの品揃えの凄さは!

お惣菜、冷凍食品、インスタント食品、野菜まで売っている。

しかも一人暮らしにぴったりな量の「ちょっとつまめるもの」の種類がめっちゃ豊富。

値段は相変わらずちょっと割高でしたがそれも気にならないくらい魅力的な商品がひしめいていました。

特にお酒のつまみとして僕が気に入ったのが「サラダチキン」。

プレーン以外にもスモークやハーブなどいろいろなテイストがあって楽しい。

あの頃はコンビニに行く度にかごに入れていた気がするな。

で、そのうち気が付いたのです。

サラダチキンってパックの封を切ってそのまま食べるだけじゃ芸がないんじゃないか。

ツナ缶だって缶詰を開けて箸やスプーンを突っ込んで食べるなんてスタイルはレアでいろいろな料理に仕立てて食べるじゃん。

サラダチキンも例えばこんな料理にアレンジしたらただの酒の肴じゃなく、ちゃんとした主菜になるんじゃないかなと思うようになった次第です。

けどそのうち──コンビニでサラダチキンを買うのを止めて鶏むね肉から自分で作るようになったのは如何にも僕らしいなと思います。

2300年に行ってしまった浦島太郎もそんな風にその時代に順応してたくましく生きていたら良いな。

【材料】(1人分) 

調理時間:130分-

  • 鶏むね肉:150g
  • 塩、ブラックペッパー:少々
  • 刻み葱:適宜
  • プチトマト:3~4個
  • 粗挽きブラックペッパー:少々

[ソースパート]

  • ごま油:12g(大匙1)
  • レモン果汁:7.5g(大匙1/2)
  • 鶏がらスープの素:小匙1/2
  • 塩:1g

【作り方】

  1. 鶏むね肉に塩、ブラックペッパー少々を刷り込みジップロックに入れて空気を抜いて封をします。これを炊飯器に入れ熱めのお湯(沸騰している必要はありません)をひたひたになるまで注いで保温モードにし2時間放置します。
  2. 1.の工程終わりに合わせて[ソースパート]を合わせてよく混ぜておきます。プチトマトはヘタを取って縦半分に切っておきます。
  3. 1.の鶏肉をジップロックから取り出し3mm厚にスライスして皿に盛ります。これに[ソースパート]を小ぶりのスプーンなどで回しがけます。プチトマトを添えて刻み葱、粗挽きブラックペッパーを振ればできあがり。できれば冷蔵庫で冷やしてから戴きましょう。

【一口メモ】

  • ごま油の風味が利いた中華サラダ風のお惣菜です。レモンの酸味がさっぱり感を強化していて箸が進みますよ。
  • 炊飯器の保温モードはメジャーなメーカーであればおよそ70度をキープします。この温度はお肉などの動物性たんぱくが硬化する限界点なのでこの温度で時間をかけて火を通せば鶏肉はしっとりと仕上がり自家製のサラダチキンを作ることができます。
  • ヨーグルトメーカーなど低温調理できる器具をお持ちでしたら63度に設定して2時間かけて火を通してください。しっとり感がより増します。
  • 付け合わせはプチトマト以外にもサラダに使える野菜ならなんでもOK。冷蔵庫の手持ちと相談してください。

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