とあるクリーニング店での出来事。
ひとりの男が店に入ってくるなり「チャーハン」と注文。
店主が戸惑いながら「うちは出してないんですが」と律儀に答えると「なんでチャーハンくらい出せないんだ」とキレながら出て行ったとか。
そんなつぶやきをだいぶ前にネットで見かけました。
話の真偽はまゆつばものですが、物語の筋としては面白い。
これが小説ならスパイもの、SF、ホラー、ファンタジー等々いろいろなジャンルに展開できそうですね。
ま、この話は極端ですがこの店に入ればこういった料理や飲み物が楽しめるという暗黙のお約束というのはあるものです。
定食屋に入って「うずらのコンフィ」を頼むとか、居酒屋で「マティーニを一杯くれ」なんて言うのは非常識です。
逆に言うと客は定食屋には定食っぽいものを、居酒屋には居酒屋っぽいものを期待する権利があるとも言えます。
それはカレースタンドでも同じ。
ビーフ、ポーク、チキン、シーフードに野菜のカレー。
そういったラインナップがメニューに並んでいると客は期待して店に入りますし、店主はその期待に応える義務があります。
ですから、そこから外れた料理を出すというのは冒険といえなくもないけど邪道とみなされる可能性が高い。
例えば、酢豚風カレーだのラーメンカレーだのカレーの煮付け(なんだそれは)だの奇をてらった料理ばかりがメニューに並んでいたら戸惑うどころか注文をせずに席を立ってしまう客だっているでしょう。
飲食店で出す料理にはそういった暗黙の縛りというものがあると思うのです。
その点、家で食べる料理は自由自在。
なんたってお客様は自分と家族だけですから。
肉じゃがにカレールウをぶち込んで「ほい、肉じゃが風カレーだよ」と言っても誰も文句は言いません。
【材料】(2人分)
-調理時間:25分-
- ご飯:適宜
- カレールウ(中辛):1/4パッケージ
- 牛バラ肉:150g
- 玉ねぎ:1/4個
- じゃがいも:2個
- 人参:1/3本
- サラダ油:4g(小匙1)
- 水:330g(330ml)
[調味料パート]
- 濃口醤油:15g(小匙2強)
- 砂糖:9g(大匙1)
[仕上げパート]
- 味噌:6g(小匙1)
- オイスターソース:6g(小匙1)
【作り方】
- 牛肉は食べやすい大きさに切ります。玉ねぎはくし形に切ります。じゃがいもは皮をむいて縦4等分にし、さらに横1.5cmに切ります。人参は5mm厚のいちょう切りにします。 ※じゃがいもはごろごろ感を出すために気持ち大きめに切るのがコツです。
- 鍋にサラダ油を入れて中火にかけ肉、玉ねぎを加えて肉の色が変わるまで炒めます。これに[調味料パート]を加えて1分炒めます。更にじゃがいも、人参を加えて3分かけてしっかり炒めます。 ※野菜から水が出るので焦げ付く心配はありません。
- 2.に水330mlを加えてひと煮立ちさせアクを丁寧にとってカレールウを加えます。蓋をして弱めの中火で10分煮込みます。
- 3.に[仕上げパート]を加えてよくかき混ぜればできあがり。
【一口メモ】
- じゃがいものほくほく感がたまりません。使っている具材は一般的なおうちのカレーライスと同じなのに別物の料理。まさにカレー味の肉じゃがになっています。
- このレシピの要は工程2.です。煮込む前に調味料と合わせて炒めること。特にじゃがいもをちょっと時間をかけて(3分ってけっこう長いですよ)炒めることで味がしっかり沁みてほくほく感も増すのです。
- [仕上げパート]に使っている味噌、オイスターソースは肉じゃがの隠し味としては結構、定番の調味料です。これをちょこっと加えると風味がぐんと複雑になるんですよ。火を入れすぎると風味が飛ぶので火を止める直前に入れて手早く仕上げましょう。
- カレールウの辛さは僕的には中辛がおススメですが子供さんがいるご家庭なら甘口もありかなと思います。
- 手持ちがあれば盛り付けるときにグリンピースをトッピングすると更に肉じゃがっぽくなりますよ。