僕が子供だった昭和40年代は時代劇隆盛期だったようで毎日のようにお侍さんが出てくるドラマが放送されていました。
そのドラマを観ながら大人たちがまじめにツッコミを入れているのがおかしかったな。
主人公が去って行く遠景に電柱が映っていたなんてのはさすがにご愛敬でしたが、町人が頻繁に店で酒なんか呑んでいる。
あんなに金を持っているはずがないなんてツッコミは微妙でしたね。
文化文政(江戸後期)の頃、江戸の町の酒の消費量は四斗樽換算で年間180樽。
元禄(江戸初期)の実に3倍。
同時代の世界中の国々と比べてもダントツ1位の飲みっぷりだったそうです。
案外に町民は日常的に酒を呑んでいたようでむしろそれだけ酒が安かったんでしょうね。
リアリティについてツッコミを入れるとすればむしろそこではなく、居酒屋などの飲食店のシーンで椅子やテーブルが置いてあること。
当時は縁台に座って料理も縁台に置いて手酌というスタイルだったはずなのです。
更にこれは撮影の都合上仕方がないのですがやたら店の中が明るい。
いやいや電灯はありませんでしたからホントはもっと暗かったはずです。
ま、人の顔もわからない暗さの中で役者のセリフだけが聞こえてくるというのは怪談じみているのでNGだったんでしょうけど。
その点、客たちがつまむ肴はさすがにそれらしいものがしつらえてあって今の時代の居酒屋で出せばむしろレトロな和食としてウケそうなものが多かったと記憶しています。
当たり前ですけど、この時代は洋食もそして中華料理すら誰も知りませんでしたからリアルで食べていた料理はこんな感じだったんだろうなと容易に想像がつきます。
もし、このレシピに書いたような料理が出されるシーンがあったなら──大人たちだけでなく子供の僕でもツッコミを入れていたことでしょう。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- エリンギ:1本
- 刻み葱:少々
- ごま油:6g(大匙1/2)
[調味料パート]
- オイスターソース:9g(大匙1/2)
- 酒:7.5g(大匙1/2)
- 鶏ガラスープの素:小匙1/2
【作り方】
- エリンギを縦に8つ割程度に切り更に横半分に切ります。笠は短冊に切ります。
- フライパンにごま油を入れて中火にかけます。これにエリンギを加えて軽く焼き色が付くまで炒めます。
- 2.に[調味料パート]を加えて水気がほぼなくなるまで炒めればできあがり。器に盛って刻み葱を散らします。
【一口メモ】
- オイスターソースの濃厚な風味が口いっぱいに広がって中華料理!って感じがする1品です。和食に飽きた時に特におすすめの皿ですね。
- 味が濃いので特にお弁当の副菜におススメ。手早く作れるので朝の忙しい時でも助かりますよ。
- お好みで甜面醤を3g(小匙1/2)ほど加えるとコクが増します。あと、粉山椒やブラックペッパーを振っても美味しいですよ。