「黒豚の良いところが入っています。バラ肉と大根の千六本を薄目の出汁でさっと炊き合わせてみましょうか」
「たっぷりの春キャベツとウィンナーを、グラタン風に仕上げてみました」
「鰆の西京漬けをご用意しておりますが、いかがですか」
北森鴻の『桜宵』を再読しました。
三軒茶屋にあるビアバー「香菜里屋」を舞台にしたミステリーなのですが、この小説のもう一つの魅力は趣向を凝らした料理が全編に登場すること。
↑のようなセリフとともに湯気を立てた料理が供され、度数の違う4種類のビールで楽しめます。
って、こんなもん素面で読んでられるかい!!
というわけで、ちょこっと料理を再現してみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:15分-
- 豚バラブロック:100g
- 大根:4cm
- にんにく:ひとかけ
- だし汁:300g(1.5カップ)
- 麺つゆ:18g(大匙1)
- 刻み葱:少々
【作り方】
- 大根は千六本(長さ4cm×2mm角の細切りでマッチ棒くらいのサイズ)に切ります。豚バラは5mmにスライスします。にんにくもスライスします。
- 小鍋にだし汁、麺つゆ、にんにくを加えて一煮立ちさせ、豚バラを加えて弱火で5分炊きます。更に大根を加えて5分炊けばできあがり。器に盛って刻み葱を散らします。
【一口メモ】
- ごく薄味に付けた分、飽きの来ない料理になりました。大根は先の方を使ったのでちょっと辛めこれはこれで面白い味です。
- 炊き合わせは火の通りの異なる食材を炊くときの調理法で食材によって投入するタイミングをずらします。また、この料理のように先にダシをひきたい食材(豚肉)を先に入れてダシが出てから野菜を加えてそのダシを吸わせるのにも使います。
- 麺つゆがない場合は濃口醤油12g(小匙2)、味醂6g(小匙1)、砂糖3g(小匙1)で味付けしてください。
- 好みで人参や茸類を大根と同じタイミングで入れても楽しいと思います。