洋食や懐石料理と同様、中華料理の世界にもコース料理というのがあって料理の構成もだいたい決まっています。
中華コースの構成は全部で5つに分かれます。
- 「前菜」:メインの前に供される洋食のオードブルの位置づけ。
いろいろな料理を少量ずつ盛り合わせた形式が多いです。
- 「湯(たん)」:スープですね。
ふかひれのスープなんかはど定番。
- 「主菜」:メインディッシュ。
肉や魚を使った大皿料理が供されます。
- 「主食」:ご飯ものか麺類。
炒飯や焼きそばなど「点心」:食後に戴くデザート的な位置づけ。
但し、甘いものとは限らずシュウマイや小籠包など軽食っぽいものも含まれます。
コースの構成は5つなのですが実は前菜や主菜がくせ者でだいたい前菜は10品くらい。
主菜は5品くらい供されます。
豪華な席になると主菜10品なんてのもありますね。
とまれ複数の料理が供されるので他の料理の邪魔にならないように工夫する必要があって献立を組む際には料理人の引き出しの多さが物を言います。
『料理人の引き出し』と書きましたがもちろんレシピをたくさん知っているだけではダメで実際にその料理を何度も作って店で提供できるレベルまで高めていないと知識の持ち腐れなんてことにもなりかねません。
なので料理人の方々は日々の研鑽を惜しまないわけです。
過日、鱈の切り身が安かったので購入。
なんか和食の気分ではなかったので中華の主菜になるような料理を食べたいなと思って一番に思い付いたのがこの料理でした。
たぶん似た料理をいつかどこかの店で食べた記憶が残っていたんだろうな。
とまれ「レシピを知っているだけではダメ」と自分に言い聞かせて実際に作ってみることにしました。
何事も日々の研鑽が物を言うのです……
って、別に僕は中華の料理人を目指しているわけでもなんでもないのですが(笑)
【材料】(1人分)
-調理時間:12分-
- 鱈:1切れ
- 塩、ホワイトペッパー:少々
- 片栗粉:適宜
- 揚げ油:48g(大匙1)
- 野菜類:玉ねぎ、人参、ピーマン、茸など
[甘酢餡パート]
- 濃口醤油:6g(小匙1)
- 酢:15g(大匙1)
- 砂糖:6g(小匙2)
- 鶏がらスープの素:小匙1/2
- トマトケチャップ:7.5g(大匙1/2)
- 片栗粉:3g(小匙1)
- 水:50g(カップ1/4)
【作り方】
- フライパンにサラダ油を入れて強火にかけ180度まで加熱します。[甘酢餡パート]を合わせてよく混ぜます。 ※加熱時間は1.5分~2分ほど。パン粉の粒などを放り込んですぐに浮き上がってくる加減が目安です。
- 1.と並行して鱈を食べやすい大きさに切り塩、ホワイトペッパーを振ります。更に片栗粉を薄くまぶします。サラダ油が温まったら片面1.5分ひっくり返して更に1.5分揚げ焼きにします。これをかす揚げで掬ってきっちり油を切ります。使った油はオイルストッカーに戻します。
- 2.と並行して野菜類を細切りにしておきます。
- 2.のフライパンを洗わずに中火にかけ野菜類を加えて1分炒めます。[甘酢餡パート]を再度よくかき混ぜて片栗粉を溶かしこれに加えます。水気が半分くらいになってとろみが付くまで煮たら火を止めます。
- 2.の鱈を深皿に盛り4.をかければできあがり。
【一口メモ】
- 餡は酢豚風の甘酸っぱいテイストにしてみました。トマトケチャップの風味が良い感じ。揚げ焼きにした鱈は外はカリッと中はしっとり仕上がっていて餡とも好相性です。
- 元々が酢豚に使えそうな餡なので鱈を豚肉に変えても普通に美味しいですよ。あるいは鶏もも肉や海老など魚介類を使っても良さげ。
- 野菜類は冷蔵庫の中をチェックしてできるだけ多種類の材料を投入してください。風味が複雑になって栄養価も上がるだけでなく冷蔵庫の在庫整理にも一役買いますよ。