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中華・点心

鶏と大根の中華煮

洋食とは何か?

なんていきなり質問されたら戸惑ってしまいそうですが気を取り直して答えるとすれば

「欧米圏で考案されて欧米圏で食べられてきた料理」ということになりますかね。

けれど世の中にはこの定義に当てはまらないのに洋食っぽい料理がたくさんあります。

たとえばスパゲティ・ナポリタン。

ナポリに行ってもこの料理はありません。

純粋に日本生まれの料理なのですがこれを和食と呼ぶかというと……無理があるよなぁと感じます。

ジャーマンポテト然り、シャリアピンステーキ然り。

純粋な日本生まれの料理なのですが使う食材も調味料も洋食のそれ。

敢えて分類するとすればやはり洋食なのでしょう。

同じことが中華料理にも言えます。

例えば天津飯は天津の料理店のメニューにはありません。

あ、天津市内でも日本人向けのレストランでは出す店もあると聞いたことがあるな。

かと言ってそれを「本場の天津飯」と言うのはいささか抵抗があります。

なぜなら天津飯は日本生まれですから。

けれどこれも洋食と同様和食と呼ぶには材料も味付けもかけ離れていて敢えて定義するならやはり中華料理なのでしょう。

これを踏まえて改めて問います。

中華料理とは何か?

ただし、日本生まれの中華料理も含めて定義せよ。

これで「中国で考案されて中国で食べられてきた料理」という解は封印されます。

とすれば着目すべきポイントは2点。

使われている食材または味付けすなわち使われている調味料を軸に定義すべきということになりそうです。

けど前者は例えば中華料理の代表的な食材の白菜(日本に渡来したのは江戸時代後期です)を使った和食は星の数ほどあるので白菜を使っているから中華料理という定義はかなり乱暴な気がします。

ということで消去法──

中華料理とは中華料理っぽい味付けの料理である。

以上!

つまり食べてみて「あ、なんか中華っぽい」と思えるものは中華料理と言って良いのでは?

という抽象的だけどなんか納得のいく答えにたどり着きました(って、そうか?)。

たとえばこの料理。

名前からして「中華煮」と付いているので中華料理っぽい雰囲気を醸し出しておりますが食べれば納得。

まさしく中華料理と呼んで良い味なんじゃないかなと思ってしまいました。

【材料】(1人分) 

調理時間:20分-

  • 鶏もも肉または胸肉:150g
  • 大根:3cm
  • 刻み葱:適宜
  • 生姜:スライス1枚
  • ごま油:4g(小匙1)
  • 水溶き片栗粉:4g分

[煮汁パート]

  • 水:150g(カップ3/4)
  • 濃口醤油:9g(大匙1/2)
  • 酒:7.5g(大匙1/2)
  • 砂糖:6g(小匙2)
  • オイスターソース:3g(小匙1/2)

【作り方】

  1. 大根を下茹でする湯(分量外)を沸かします。待っている間に大根はかつら剥きにして1cm厚のいちょう切りにします。湯が沸いたら大根を投入して5分下茹でします。
  2. 1.と並行して鶏肉は食べやすい大きさに切ります。生姜は千切りにします。
  3. フライパンにごま油と生姜を入れて中火にかけます。香りが立ってきたら鶏肉を加えて焼き色が付くまで2分程度炒めます。更に水切りをした大根を加えてさっと1分程度炒めます。
  4. 3.に[煮汁パート]を加えてひと煮立ちさせます。落し蓋をして弱めの中火で10分煮込みます。落し蓋を取って水溶き片栗粉を加えてとろみを付けます。これを器に盛り付け刻み葱を散らせばできあがり。

【一口メモ】

  • 一口食べると「あ、中華」って思える味付けです。素朴な惣菜ですがほっこりした気分になります。
  • 味の要は生姜とオイスターソース。これらを加えると味がぐんと中華寄りになるのです。
  • お好みで白菜や茸を一緒に煮ても美味しいですよ。

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