今は昔、外国人がドン引きする日本食がありました。
白いご飯に生の魚が載っている──なんちゅう気持ちの悪い料理やねん。
寿司は長らくそんな風に思われて外国人から敬遠されてきました。
けど、1960年代にカリフォルニアで寿司の販促を仕掛けた日本人たちの尽力もあって食べてみたら意外と旨い──
寿司はそんな風に外国人に認知されるようになり、今では日本に観光に来る外国人はこぞって寿司屋の暖簾をくぐるようになりました。
「単なる食わず嫌いだったんじゃん」──そう言って笑う日本人もいるでしょう。
けど、僕らだって外国人のことを言えないのかもしれません。
「お肉にフルーツをたっぷり合わせた料理」が出てきたらどうでしょう。
日本人の中では「お肉」はおかず。
「果物」はデザートかおやつ。
という固定観念がありますので洋食に慣れてない人が見たら「なんちゅう気持ちの悪い料理やねん」と思うかもしれません。
けどね肉に果物を合わせるというのは洋食の世界では中世から脈々と受け継がれた伝統的な調理法なのです。
使われる果物はイチジク、レーズン、リンゴ、セイヨウナシ、インシチチアスモモ(西洋スモモ)など多種多様。
調理法も洗練されていてとても美味しいので見た目でドン引きして箸を付けないのは勿体ない話です。
この料理にも使われているオレンジも肉料理では定番中の定番な組み合わせ。
「おかずかデザートかはっきりせんかい」
なんて言わずにぜひ試してみてくださいな。
【材料】(2人分)
-調理時間:20分-
- 鶏もも肉:1枚(250~300g)
- 塩、ブラックペッパー:少々
- 付け合わせの葉菜:ベビーリーフ、カイワレ大根など
- オリーブオイル:6g(大匙1/2)
[ソースパート]
- オレンジママレード:42g(大匙2)
- 濃口醤油:18g(大匙1)
- 酒:15g(大匙1)
【作り方】
- 鶏もも肉は厚めのところは包丁で開いて厚みを均等にして塩、ブラックペッパーをまぶします。これを皮目を下にして冷たいフライパンに入れてオリーブオイルを加えて良くまぶします。
- 1.をごく弱火にかけて10分いじらずに焼きます。ひっくり返して蓋をし、5分蒸し焼きにします。待っている間に[ソースパート]を合わせてよく混ぜておきます。
- 2.に[ソースパート]を加えて中火にかけ[ソースパート]を絡ませながら水気がほぼなくなるまで焼けばできあがり。食べやすい大きさに切って皿に盛り、葉野菜を添えて供します。
【一口メモ】
- 柑橘系の爽やかな風味が脂っこい肉料理を軽やかにしてくれます。味付けは醤油にママレードの甘みが合わさった甘辛。日本人好みの洋風照り焼きって感じです。
- [ソースパート]に使うアルコールは白ワインにするか迷ったのですが醤油との相性を考えると日本酒の方がおススメです。
- [ソースパート]のオレンジママレードをレモンママレードに替えればほろりと苦い味が加わるので少し大人っぽい料理になりますよ。あと、お肉は豚ロースを使っても美味しく作れます。