19世紀末から20世紀にかけて活躍したアメリカの推理作家(ミステリー作家ではなくこう呼ぶほうが似つかわしい時代でした)にヴァン・ダインという人がいました。
エラリー・クイーンなど後の作家に多大な影響を与えた大御所的な人物ですが彼はこんなことを言ったことがあるそうです。
「評価に値する推理小説は生涯に12作しか書けない」
で、彼の看板作品、名探偵ファイロ・ヴァンスものは12作の長編を書いてやめちゃったとか。
いろいろな意味で徹底した人だったようです。
僕は中学校の頃に彼の作品にハマってその半分の6作くらいまでは読んでいます。
けどね、後のミステリーに多大な影響を与えた不朽の名作もあったのですが、「評価に値する」と言って良いかびみょーな作品もありました。
で、生意気な中学生は考えたわけです。
「それって、100作くらい書いたら後世に残る作品が12作くらいものにできたって人が言うべきセリフでは? 12作書いて12作全部名作ってのは虫が良すぎるでしょ」
なんてね。
レシピの手控えが先日2900を超えました。
振り返ってみると「これは永久保存版」と胸を張って言えるものもありますが中には「なんで書いた?」と思えるものや「これって前に書いたやつの焼き直しじゃん」と思っちゃうものも多々あります。
そんな時、僕は自分に言い聞かせるのです。
「これもヴァン・ダインがくれた教訓だよ」って。
似たようなレシピでも書いた時期によって使う調味料やちょっとした手順に違いがあります。
で、明らかに以前書いたものよりブラッシュアップされてより良いレシピになっているものが多くあります。
この料理もいつかどこかで書いた料理に似ているとは思いますがヴァン・ダインの教訓を活かして気にせず書き留めておこうと思います。
【材料】(2人分)
-調理時間:8分-
- 豚肉(もも又はバラ)スライス:150g
- 塩:2g
- ブラックペッパー:少々
- エリンギ:1本
- ニラ:数本
- ごま油:8g(小匙2)
[調味料パート]
- ポン酢:20g
- おろしにんにく:ひとかけ分
【作り方】
- 豚肉とエリンギは食べやすい大きさに切ります。ニラは1cm幅の小口切りにします。豚肉に塩、ブラックペッパーをまぶします。
- フライパンにごま油を入れて中火にかけ温まったら豚肉を加えて色が変わるまで炒めます。更にエリンギを加えて1分炒めます。
- 2.に[調味料パート]を加えて絡めるように水気がほぼなくなるまで炒めればできあがり。
【一口メモ】
- 比較的脂っこい料理なのにポン酢の酸味がそれを相殺して良い感じにまとめてくれています。ポン酢とおろしにんにくが意外と相性が良いのを改めて知りました。
- ニラはたまたま冷蔵庫に残っていたので使ったのですがちょっと中華料理っぽい風味になって楽しかったです。手持ちがなければわざわざ買ってくるほどのものでもないので青ネギや玉ねぎを使ってください。
- これ、淡白なささみをそぎ切りにして作っても美味しいと思いますよ。