2014年の春、NHKが誇るレシピサイト「きょうの料理」に衝撃が走りました。
「いちごの酢豚」 黒々としたソースに包まれた豚肉と真っ赤な苺。
多くのファンから「ありえねー」、「流石にキモい」、「これはないでしょ」と否定的なコメントの嵐。
と・こ・ろ・が、料理好きな人は好奇心も旺盛ならしく、やはり食べもしないで否定するのは如何なものかと思い直した人が結構いたようです。
やがてレビューは「全然違和感なし」、「意外に美味しい」、「これは秀逸なレシピ」といった肯定コメントに塗り替えられていきました。
ナマコしかり、強烈な匂いを放つチーズ然り、最初に食べた人は何考えてたんだ? と思わせる食べ物や料理はたくさんあります。
やはり、文句を言うなら食べてみてからということでチャレンジしてみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:20分-
- 豚ももブロック:150g
- 苺:10~15粒
- 揚げ油:適宜
- 塩、ブラックペッパー:少々
- 薄力粉:適宜
[ソースパート]
- バルサミコ酢:60g(大匙4)
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
[仕上げパート]
- 粗挽きブラックペッパー:適宜
【作り方】
- 小鍋にバルサミコ酢を入れて弱火にかけ半分の量になるまで煮詰めます。
- 1.をやっている間に豚肉は3cmの角切りにし塩、ブラックペッパーを振って薄力粉をまぶします。これを170度に熱した揚げ油で3分揚げます。
- 2.をやっている間に苺のヘタを取っておきます。
- 中華鍋に1.と濃口醤油を加えて強火にかけます。煮立ちだしたら豚肉を加えて弱火にしソースに絡めます。更に苺を加えて絡めればできあがり。器に盛って[仕上げパート]の粗びきブラックペッパーを振ります。
【一口メモ】
- 苺は全然違和感がありません。全体にさっぱりしていて豚肉の脂っこさをしつこく感じさせない一品です。
- バルサミコ酢というアイデアが秀逸。砂糖もケチャップも加えていないのにほんのり甘いです。で、その甘味が苺の爽やかな酸味の邪魔をしていません。砂糖を加えたらこうはならないでしょうね。
- 酢豚の王道具材である玉ねぎ、ピーマン、人参、椎茸などを外しているのは意図的な物でしょうが僕的には入れるのもありかなと思いました。
- この[ソースパート]は他の肉料理にも使えると思います。絡めるだけじゃなくて弱火で煮詰めて(焦がさないよう注意)、上からかけても良いです。
- 余談ですが酢豚にパイナップルを入れるのはパイナップルに含まれる酵素の働きで肉を軟らかくするというちゃんとした目的があります。但し、熱を加えるとこの酵素はつぶれてしまうので必ずパイナップルは生のものを使用。下味を付ける際に(火にかける前に)肉と一緒に漬け込まないと意味がありません。