お店で供された肉を自分で焼いて食べるいわゆる焼肉の文化が日本に生まれたのは1930年頃だそうです。
大阪に移住した朝鮮人がもたらしたプルコギがルーツらしい。
以後、焼肉は全国的に広がっていくのですが食べ方も時代とともに変わっていきます。
ある時、一人のホステスが焼肉屋に来て牛タンの塩焼き、「タン塩」を注文しました。
けどタレに浸けてしまうとせっかくの塩味が味わえない。
けどそのまま食べたら舌を火傷してしまう(タレは焼けた肉を冷ます効果もあるのです)。
「マスター、あたしレモンが好きだからレモン汁持ってきて」
彼女の気まぐれな注文に応えて主人がレモン汁を供すると彼女は歓声を上げました。
「これ美味しいよ。これからタン塩のタレはレモンにしなよ」
これがタン塩レモンの誕生秘話だと言われています。
やがて定番になった塩レモンはお肉に限らず脂っこい料理全般に合うことが知られていきます。
例えば鮭のハラス。
ハラスとは魚の腹身にある一番下の部分のことで、とても脂が乗っています。
ちょっと脂っこすぎて不人気なので値段も安いのですがこれだって塩レモンという魔法のタレを使えばさっぱりとしたごちそうに変身するんですよ。
【材料】(2人分)
-調理時間:8分-
- 鮭ハラス:150g
- バター:10g
- 刻みネギ:少々
[タレパート]
- レモン果汁:15g(大匙1)
- 塩:1g(小匙1/6)
- 鶏ガラスープの素:小匙1/2
- おろしにんにく:ひとかけ分
- ごま油:4g(小匙1)
【作り方】
- 鮭のハラスは一口大に切ります。フライパンにバターを入れて中火にかけこれに鮭のハラスを入れます。両面に焼き色が付いたら蓋をして弱火で3分蒸し焼きにします。
- 1.をやっている間に[タレパート]を合わせておきます。蒸し焼きが終わったら蓋を取り[タレパート]を回しがけて絡めながら水気がほぼなくなるまで焼けばできあがり。皿に盛って刻みネギを散らして頂きます。
【一口メモ】
- バターの香りが良い匂い。脂ぎとぎとなビジュアルに反して口に入れるとあら不思議。レモンの酸味でさっぱりした風味が楽しめます。
- もともとこのレシピの[タレパート]は牛タンの塩レモンダレの配合です。牛肉に限らず脂っこいお肉料理全般に合うのでお試しあれ。
- 刻みネギと一緒に胡麻を振っても美味しいですよ。