ご年配の方の中には
「野菜や根菜の皮を剥くなんてもったいない。皮もちゃんと美味しく食べなさい」
とおっしゃる方がいらっしゃいます。
確かに食べられる物なら食べなきゃ勿体ないですよね。
それだけでなく野菜の皮は栄養価が高く繊維質も多いので体に良いことが多いのです。
植物は日光を浴びて光合成を行い栄養分を生成します。
当然、お日様が直接当たる皮は一番栄養が貯まりやすい部分になるという理屈らしい。
なので皮も一緒に食べる工夫をするか剥くにしてもなるべく薄く剥くのが料理のセオリーです。
とはいえそのままでは食べられないものも多いので「工夫」が必要になってきます。
大根や人参は皮を剥いてそのまま生でも食べられる一番簡単な食材です。
甘酢やすし酢に漬ければ即席の浅漬けになりますし、千切りにして炒めて醤油、砂糖などで味を付ければきんぴらとして立派なおかずになります。
じゃがいもの皮はそのまま生では食べられませんが皮付きのまま焼いたり炒めたりすれば食べられます。
というか皮付きのじゃがいもは皮のところがカリカリに焼けて皮なしより断然美味しかったりするんですよね。
玉ねぎの薄皮は……
さすがに食べられないのですが実は染物に使えるそうです。
僕はその手の趣味を持たないので詳しくないのですが昔読んだ小説に玉ねぎの薄皮を使うときれいな茶色が出せると書かれておりました。
あと料理ではブラウンシチューを作る時、薄皮もいっしょに煮こむときれいな茶色になるそうです。
あとで取り除くのがちと面倒なのですが。
りんごの皮は食べても美味しくありませんが煮出して紅茶を淹れると美味しいアップルティーになると美味しんぼに書かれていました。
みかんの皮は食べられないのですが僕の実家ではそのみかんが入っていたネットに詰めて風呂に浮かばせておりました。
真冬にこれをやるとぽかぽか体が温まって良い香りも楽しめます。
ぜひお試しあれ。
かように意外と野菜や果物の皮は工夫次第で美味しくなったり食べられないものでもいろいろなことに役立ちます。
で、今日の食材の山芋ですが生のままでは皮は硬くて食べられないのですが火を通せばすっごく柔らかくなるので皮付きのまま食べられます。
というか柔らかくなった山芋の皮はかなり旨い。
僕は最近、この下ごしらえを覚えたのですがこんな美味しい部位を剥いて捨てるなんて今までなんてもったいないことをしていたんだろうと後悔しました。
ま、「先に立たず」が後悔の持ち味(?)ですのでこれからは気を付けようと自戒します。
とまれ山芋に豚肉を巻いて焼く料理というのはごくありふれたものなのですが山芋を皮付きのまま調理することで一段旨くなるという技を覚えましたのでメモしておきます。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- 山芋:3cm
- 豚バラスライス:4枚
- アジシオ:適宜
- 粗挽きブラックペッパー:適宜
- バター:6g(大匙1/2)
【作り方】
- 山芋の断面に大き目のフォークを刺します。コンロに火を点けフォークを持って山芋の皮をまんべんなく炙ります。 ※山芋の皮は炙り焼くと柔らかくなって食べられます。炙り縦は熱いので火傷に注意しましょう。
- 山芋が冷めたら縦に9等分します(井の字に切ればOK)。豚バラスライスは2等分します。豚バラスライスに山芋を載せてくるっと巻きます。
- 2.にアジシオをしっかりめに振ります(各面、まんべんなく振りましょう)。更に粗挽きブラックペッパーを振ってこぼれた分もまぶします。
- 3.をフライパンに重ならないよう巻き終わりを下にして並べます。その間にバターを置き中火にかけます。フライパンを傾けてバターをまんべんなくまぶしながらしっかり焼き色が付くまで2、3分焼きます。ひっくり返して同様に焼けばできあがり。
【一口メモ】
- 炙り焼いて火が通った山芋の皮は香ばしくてめっちゃ旨いです。黙って出せば「え、この山芋皮付きじゃん」と家族に驚かれること請け合い。ちょっとしたサプライズも演出できますよ。
- おうちのコンロがIH式で直火がない場合はコンロにかけたフライパンの上で山芋を転がすことで同じ効果を得ることができます。大した手間ではないのでぜひ試してみてください。
- 味付けは秘密兵器「アジシオ」を使っています。塩と味の素をブレンドした調味料ですが焼き物や揚げ物をめちゃ旨にする最終兵器じゃないかなと僕は思っています。ただ手持ちがなければわざわざ買ってくるほどのものでもありません。塩と味の素を使っても美味しく作れます。味の素もなければ代わりに昆布出汁の素を茶さじ1ほど塩にブレンドして使ってみてください。