近頃はパワハラ、アルハラに対する目が厳しくなったこともあって職場の飲み会もすっかり廃れた感がありますが僕が入社したばかりの頃、1980年代は当たり前のように頻繁に飲み会がありました。
ま、僕が居た部署に酒飲みが多かったということもあるのですが(笑)
ただ、僕は運が良くて巷間で言われるような嫌な飲み会に当たったことはほとんどありませんでした。
SEという仕事柄、守秘義務があるので飲み屋で仕事の話はご法度というのも大きかったのかもしれませんね。
他愛ない馬鹿噺で過ごすひと時はけっこう楽しいものでした。
けど、そんな飲み会でも不満がなかったわけではありません。
それは──大人数の飲み会で発生する食べ残し。
2、3人で飲みに行って自分が注文したものを食べ残す人はさすがにいませんでしたが忘年会のような大人数の酒席ではテーブルによって食べ残しが出てしまいます。
見ていてもったいないなぁと思うのですが僕も胃袋はひとつしか持っていませんし全テーブルを回って食べ尽くすわけにもいかず後ろ髪を引かれながら店を後にするしかありませんでした。
食べ残しで特に気になったのは刺身のけん。
けんは刺身のあしらい(付け合わせ)の一種でごく細切りにした野菜、特に大根を使うのがポピュラーです。
宴会で刺身が出ると見事にどのテーブルの皿も白い大根だけが残っているんですよね。
あまりにもったいないからわさび醤油に浸けて先輩と二人でもりもり食べていたなぁ。
冷めた見方をすると出されたものを食べるも食べないも客の自由です。
けど、出されたものは食べなきゃ勿体ないと思ってしまうのは僕が料理を作る側にいることが多いからかもしれません。
あるいは食いしん坊の性かなぁ。
けど、その料理を作る側の視点に立って考えると
「料理人にも責任があるのでは」
とも思っちゃうのです。
いつもいつもけんが大量に食べ残されていることを料理人は知っているはずですなのに
「刺身のけんは大根と昔から決まっているから」
と思考停止して他のものに変えてみるなどの工夫を怠っているのでは?
なんて生意気なことも考えちゃいます。
あ、大根のけんは刺身の余分な水分を吸収し、口の中をさっぱりしてくれるなどの効果があるから使われているんですけどね。
バタータ・パーリャはブラジルではポピュラーなじゃがいも料理で簡単に言うと極細のポテトチップスです。
それ単体でおつまみとして食べられることもありますが肉料理などの付け合わせに使われることが多いです。
ただの付け合わせではなく絶妙なお酒のつまみになるのでついつい手が伸びちゃうんですよね。
宴会で大根のけんが添えられる刺し身が供されるのは当たり前ですがお酒を飲むことが前提です。
であるならけんにもバタータ・パーリャのようなつまみとしての魅力があればもっと箸を伸ばしてもらえるんじゃないかななんて思いました。
いっそ大根をすりおろして和風ドレッシングに仕立ててカルパッチョ風に刺身にかけたらどうかしらん。
和風の居酒屋にはそぐわないかもだけど美味しそうな気がします。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- じゃがいも(中):2個
- 揚げ油:適宜
- 塩:1g(小匙1/6)
- 粉チーズ:小匙1
【作り方】
- じゃがいもは皮を剥き千六本サイズ(マッチ棒くらいの太さ)くらいのごく細切りにします。これを水(分量外)に10分晒してキッチンペーパーで水分をふき取ります。ボウルに塩と粉チーズを合わせてよく混ぜておきます。
- 1.の工程が終わる頃合いを目指して揚げ油が160度に温まるように火にかけておきます。揚げ油が温まったらじゃがいもを投入して1分少々、軽く色づくまで揚げて一旦かす揚げで引き上げます。
- 2.の揚げ油を180度に温めてじゃがいもを戻し約1分二度揚げします。これをかす揚げで引き上げてよく油を切ります。1.のボウルに移し調味料とよく和えればできあがり。 ※二度揚げすることでカリカリの食感が楽しめます。但し極細で焦げやすいので揚げ色がまだ淡いかなと思えるくらいで引き上げるのがコツ。後は余熱で火が通ります。
【一口メモ】
- さっくさくでめちゃ旨い。基本的にポテトチップスと同じ食べ物なのでスナック菓子感覚で楽しめます。
- 調味料を変えると風味が変わるのでいろいろ試してみてください。定番は塩とブラックペッパーですが粉山椒を使っても美味しいですよ。あと、裏技的になりますが味の素をプラスするとめちゃ旨です。
- 単体で食べても良いのですがブラジルでは肉料理などの付け合わせによく使われます。本体の料理そっちのけでこっちばかり食べられて「おかわりはないの?」なんて訊かれても……僕は知りません(笑)