入学してから初めて知ったのですが大学には高校までにはないカリキュラムがありました。
それは「教養課程」──自分が専攻する分野とは関係なく広く教養を高めるためのカリキュラムです。
例えば僕は工学部で合成化学を専攻していましたが教養課程では法学、日本文学などを受講しました。
って書くとすごくアカデミックに聞こえますけど何を取るかはけっこうアバウトで打算的(あの先生は単位をくれやすい等)だったりしました。
そんなチョイスの中で単に面白そうだからという理由で受講した科目がありました。
それは……「オセアニア地理」オセアニアとはオーストラリアとかニューギニアとかあっち方面の地方を指すのですがその国々の歴史や地理を高校までで学んだ日本史、日本地理レベルに深掘りして学んでいくという講座でした。
先生がユニークな方で「僕のテストは教科書、ノートなんでも持ち込み可です」なんて言っておきながら試験問題に「タロイモの絵を描け」なんて鬼畜な出題をされる人でした。
もちろん教科書のどこを探してもタロイモの写真なんて載っていないのです。
20年ばかりの人生で一度も見たことがない芋のビジュアルを想像して答案用紙とにらめっこしていたのですが、ふと思い出したのです。
「タロイモは里芋によく似た植物でしてね」と授業でおっしゃっていたことを。
料理を始めたばかりの頃でしたが里芋のビジュアルはなんとなく知っていたのでしましま模様の芋にでっかい葉っぱを付けて提出しましたっけ。
試験の結果は及第点でしたのでま、遠からずとも当たっていたのでしょう。
授業で教わった内容はすっかり忘れてしまいましたが(をい)、今でも里芋の皮を剥いているときなどにはふと遠いオセアニアの国々のことを思い出して懐かしがる自分がいたりします。
【材料】(2人分)
-調理時間:15分-
- 里芋:3個
- 強力粉:適宜
- 揚げ油:適宜
[シーズニングパート]
- (ハーブ類は手持ちのあるもののみでOK) 塩(できればハーブソルト):2g(小匙1/3)
- ガーリックパウダー:少々
- ブラックペッパー:少々
- タイム:少々
- ローズマリー:少々
【作り方】
- 揚げ油を170度に温めます。待っている間に里芋の皮を剥き櫛形に切ります。これに強力粉を薄くまぶします。
- 揚げ油が温まったら里芋を投入し10分かけてじっくり揚げます。待っている間に[シーズニングパート]を盛り付ける器に合わせてよく混ぜておきます。
- 里芋が揚がったらよく油を切り熱いうちに2.の器に入れて[シーズニングパート]をまぶせばできあがり。
【一口メモ】
- 強力粉をまぶしてじっくり揚げることで表面がカリッと仕上がります。ハーブを含んだシーズニングがクセになってビールが進みますよ。
- フレンチフライとは僕らがフライドポテトと呼んでいる料理のアメリカやカナダでの呼び名です。実はフライドポテトというのは和製英語でアメリカで言っても通じませんのでご注意を。
- ケチャップとマヨネーズを1:1で合わせたオーロラソースに付けて食べても美味しいですよ。隠し味にウスターソース少々を加えるとなお良し。