僕は長らくシステムエンジニア(SE)という仕事をしていましたがお医者さんにも外科や内科といった専門があるようにSEの世界でも専門があります。
僕の専門というか得意分野はセキュリティ。
情報漏洩対策のコンサルなどをやっていたりしました。
以前、コンピュータ上のデータを暗号化するソフトのご提案をしたとき、「これで万一外部にデータ漏洩しても解読できないから一安心」と喜ばれているお客様にくぎを差したことがありましたっけ。
「あの……、社内(イントラネット内)では普通にデータが読めるので悪意を持った社員が印刷して紙を持ち出したら漏洩します」
ま、当たり前のことですね。
印刷にも制限をかけることはできますがそれをやっちゃうと業務が回らないということなので別の対策が必要でした。
そこでご提案したのが「社員の勤務状況をきちんと管理しましょう」という至ってアナログな方法。
そういう悪いことをしようとする人でも日中、人が行き来しているオフィスで大量の印刷をするのは抵抗があるもの。
業務量に比べて不自然に残業が多かったり目的のはっきりしない休日出勤をしている人がいないか見張りましょうと提案しました。
かように人は悪いことをするときは「こっそり」やるのが普通です。
けど、偉い人の中にはその悪いことを開き直っちゃう人もいるようで……
江戸時代、幕府は仏教の教えに沿って表向き牛肉を食べることを禁じていました。
けど、牛肉が旨いことも知られていてこっそり抜け道が作られていたみたい。
近江牛の味噌漬けなどは将軍の好物だったのでしばしば献上されていたようです。
その際、「これは体に良い薬なのじゃ。薬を飲んでるだけで肉を食べてるわけじゃないのでOK」なんて屁理屈をこねたとか。
ところが井伊直弼が彦根藩主になった時、熱心な仏教徒だった彼は頑として献上の要請を突っぱねた。
これが時の将軍、徳川斉昭の不興を買って彼は桜田門外の変で暗殺されたなんて都市伝説まであります。
げに、食べ物の恨みは恐ろしい(笑)そんなに旨いのなら一度食べてみたいと思っていたのですが過日、お取り寄せでちょっと良い牛肉を手に入れたので自作してみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:10分(漬け込む時間は含めていません)-
- 牛肉(赤身またはロース)スライスまたはブロック:200g
- 塩、ブラックペッパー:少々
[調味料パート]
- 赤味噌:200g
- 砂糖:25g
- 酒:25g(25ml)
- 味醂:30g(25ml)
- おろしにんにく:ひとかけ分
【作り方】
- [調味料パート]の酒、味醂を器に入れて電子レンジの500ワットで30秒チンします。これに[調味料パート]の残りを合わせてよく混ぜます。
- 1.をやっている間に牛肉はスライスならそのままブロックなら2cm角の賽の目に切って塩、ブラックペッパーをまぶします。
- 2.を深皿かバットに重ならないように並べて1.をまぶします。上からラップで圧着して冷蔵庫で2日ほど置きます。
- 牛肉の表面の味噌をキッチンペーパーでふき取り魚焼きのグリルか230度に予熱したオーブンで片面3分、ひっくり返して更に3分焼けばできあがり。 ※味噌は必ずキッチンペーパーなどでぬぐい水洗いしないでください。
【一口メモ】
- 濃い味噌味がヤミツキになります。牛肉には醤油が合うと思っていましたが味噌もめっちゃ旨い。日本の調味料って優秀だな。
- 牛肉の質で味が決まると言っても過言ではない料理です。肉は赤身より適度にさし(霜降り)が入っている方が良い感じ。ここは清水の舞台から飛び降りたつもりで奮発してください。とはいえ安いお肉でもけっこう美味しくできる気がします。
- ステーキ用の肉を使うのもありです。先にミディアムレアに焼いてから[調味料パート]に漬けこめば温めなおすだけですぐに食べられますよ。
- 付け合わせは素揚げにした季節の野菜がよく合います。主役が味の濃い料理ですから下味は控えめにしましょう。参考にしたレシピでは銀杏の素揚げを添えていました。秋らしい一皿になると思います。