何がきっかけだったか忘れてしまったのですが昭和初期の頃の料理本を目にする機会がありました。
読んでみてまず驚いたのは調味料の計り方がまるで違うこと。
今の料理本の材料表はグラム表記か計量スプーン、計量カップを基準に書かれています。
容量は小匙は5ml、大匙は15ml、計量カップは200mlでこれが調味料の物差しになっています(ちなみに単位は昔はccと書かれたものがほとんどでしたがイマドキはmlに変わってきています)。
けどこれらの調理器具が考案されるのは戦中、戦後のこと。
当然、昭和初期には存在しません。
その代わりに使われていた尺度は盃1杯、お玉1杯という尺度のようです。
ただ、盃やお玉ってものによって容量にバラツキがある気がするのでけっこうアバウトだったのかも。
更に驚いたのは作る量。
お玉一杯の味噌なんて普通に書いてあるんですもん。
何人前だよって感じ。
ま、当時の一家族の人数はサザエさん一家くらいは当たり前にいたと思うので自然とそうなっちゃうかな。
けど、書かれたレシピはシンプルながらイマドキにはない発想のものもたくさんあって勉強になりました。
その当時は当たり前にいろいろな家庭で作られていたのにいつの間にか忘れ去られてしまった料理というのもたくさんあるんでしょうね。
更に時代を遡って江戸時代の料理となればなおのこと。
その中で今でも残っている料理がどれくらいあるんだろうと思うとちょっと気が遠くなりそうです。
なんてことを考えながらAmazonを検索していたら「豆腐百珍」の復刻本が売られているのを発見しました。
これの元本は江戸時代にバカ売れした豆腐を主食材にしたレシピブックで名前の通り百種類のレシピが書かれています。
レビューを読んでみると「多彩な調理法に驚嘆」だの「昔の人の想像力に敬服」だのと書かれています。
歴史に埋もれてしまったレシピがあれば方やそれを発掘して後世に残していこうとする人もいるんだなぁと感慨にふけりました。
買ってみようかな。(なんてこの手控えを書いている時は思っていたのですが後日購入しました)
過日、ちょっと美味しい梅干しを入手したのでこんな料理を作ってみました。
豆腐百珍に載っていても驚かないくらいいささか古臭いテイスト。
けど、1周回って新しいかもなんて思っちゃいました。
【材料】(1人分)
-調理時間:6分-
- 豆腐:半丁
- 梅干し:1粒
- 鰹節:2g
- 刻み葱:少々
- サラダ油:4g(小匙1)
[調味料パート]
- 濃口醤油:4g(小匙2/3)
- 味醂:6g(小匙1)
【作り方】
- 豆腐は水切りをして小さめのざく切りにします。梅干しは実を種から外して細かく叩きます。
- フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、豆腐を加えて崩しながら炒めます。これに梅干し、[調味料パート]を加えて水気がほぼなくなるまで和えるように炒めます。
- 火を止めて鰹節を加えて和えます。これを器に盛り付け、刻み葱を散らせばできあがり。
【一口メモ】
- 酸味の利いた小粋な小鉢料理です。ほんのり辛味と甘みもあって鰹節の香ばしい風味も楽しいですよ。
- 水分はほとんどないのでお弁当のお菜にもおススメです。
- 仕上げに三つ葉や糸切りにした大葉をトッピングすると清涼感マシマシになりますよ。