冷蔵庫に卵があるとします。
これを使って何か1品作りなさい──なんて課題が出たらあなたは何を作るでしょう。
目玉焼き、卵焼き、出汁巻き卵、オムレツ、スクランブルエッグ……意表を突いてプリンを作ったりして。
卵は非常に汎用性の高い食材です。
和洋中どの料理ジャンルにでも活用できるので却って何を作るか迷っちゃいますね。
では、冷蔵庫に分厚い牛肉があるとします。
部位はサーロイン。
肉質は最上級。
これを使って何か1品作りなさいと言われればほぼ全員がステーキを焼くんじゃないでしょうか。
あるいはマグロの大トロのサクを煮物にする人もいないでしょう。
そのまま刺身か寿司にして食べたいところです。
世の中には汎用性が低いというか食べ方がほぼ一択しかないような食材も存在します。
けど中には「これはこうやって食べるもの」という思い込みで食べ方の選択肢を狭めている食材というのもあるような気がするのです。
美味しんぼの初期エピソードに懐石料理で出された鰹の刺身をマヨネーズで食べるという常識破りな食べ方が出てきたことがありましたがやってみると案外美味しいじゃんと僕も思いました。
そういった料理や食べ方というのはまだまだあると思うのです。
砂肝というとあまり一般家庭の食卓には上らない鶏肉の部位で焼き鳥屋で串に刺して炭火焼にして食べるイメージが強い気がします。
たぶん噛みじまりのある硬い部位なので他の調理法には向かないだろうと思われているんじゃないかな。
けどね砂肝の唐揚げを出す焼鳥屋さんもありますし僕の馴染みの焼鳥屋では付け出しに砂肝の煮物が出て来ることがあります。
これがまた出汁の利いた煮汁で軟らかく煮こまれていて旨いんだ。
砂肝って案外に汎用性の高い食材だったりするんですよ。
【材料】(2~3人分)
-調理時間:10分(料理を冷やす時間は含めていません)-
- 砂肝:3粒(約70g)
- 生姜スライス:3枚
[煮汁パート]
- 鰹出汁:100g
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
- 味醂:9g(大匙1/2)
- 酒:9g(大匙1/2)
- 砂糖:5g(小匙2弱)
- オイスターソース:3g(小匙1/2)
- 味噌:3g(小匙1/2)
【作り方】
- 小鍋に[煮汁パート]を合わせて中火にかけひと煮立ちさせます。待っている間に砂肝は2mm厚にスライスします。生姜は細切りにします。
- 1.の小鍋に砂肝と生姜を加えて弱火にし蓋をして7分煮こみます。火を止めてそのまま常温まで冷まします。器に盛って冷蔵庫で冷やせばできあがり。
【一口メモ】
- しっかり冷やした小鉢料理は夏のごちそう。針生姜が舌に載れば更に一段ひんやりとした風味が楽しめます。甘辛く煮た砂肝もコリコリした食感があってクセになります。
- 砂肝って硬いイメージがありますがこのレシピのように薄くスライスしてしまえば煮物にもできるんですよ。
- 調味料の配合は我が家の肉じゃがのレシピを転用しています。同じお肉系の食材を使って味付けは「いつもの」。なんだか実家に帰って来たような安心感を覚えますね。って、自分家で食べてるんだけどw
- 辛口がお好きな方は仕上げにラー油をひと垂らしもしくは一味唐辛子をお好みで振ってください。