「煮るなり焼くなり好きにしろ」
というのは時代劇などでここ一番の大勝負に負けた時、あるいは悪事が露見して開き直る時の定番の捨て台詞です。
けど、このセリフを言われた方がいそいそと七輪と鍋などを用意し始めたら啖呵を切った方も慌てるでしょうね。
「ちょちょちょっと待て。確かに煮るなり焼くなりとは言ったけどな。ホントに鍋釜を持ち出してどうするんでぃ」
一気に場は時代劇から新喜劇みたいになっちゃいます。
そんな時代に僕らがタイムスリップしたら電子レンジが恋しくなるんじゃないかなとふと想像したのです。
レンチンしたらすぐ食べられるホットスナックがない時代は人によったら耐えられないかもなんて思っていたのですが──
そんな時代にもすぐに熱々が食べられるホッとスナックはありました。
文字通り「煮るなり焼くなり好きに」できるそのホットスナックの名前は──お餅です。
火鉢の上に網を載せて炙り焼けばほんの数分で熱々の焼餅が食べられます。
煮物の鍋に放り込めばほんの数分でとろんと柔らかく溶けちゃいます。
しかも長期保存が利いて腹持ち抜群。
日が経つと硬くなりますが煮たり焼いたりしたらあっという間に柔らかくなるところも嬉しい。
まさに元祖ホットスナックと呼ぶにふさわしい超便利アイテムです。
煮て良し、焼いて良し、この料理のように他の食材と合わせておかずを作ればとても腹持ちの良い一品になるので実は家に常備していると何かと便利なんですよ。
【材料】(2人分)
-調理時間:30分-
- 鶏もも肉:70g
- 餅:一口サイズ3個
- 野菜類:今回は大根葉、椎茸。できるだけ和野菜を使います。
- 鷹の爪:半本
[漬け汁パート]
- 味噌:18g(大匙1)
- 酒:15g(大匙1)
- 味醂:6g(小匙1)
- 砂糖:3g(小匙1)
- ごま油:4g(小匙1)
【作り方】
- 鶏肉は1.5cm角の賽の目に切ります。[漬け汁パート]を湯呑みなど小さな器に合わせてよく混ぜ鶏肉を加えて15分漬け込みます。
- 1.をやっている間に餅は4等分程度に切り分けます。野菜類も食べやすい大きさに切ります。鷹の爪はキッチンバサミで小口切りにします。
- 冷たいフライパンか中華鍋に1.の鶏肉を菜箸でつまんで重ならないように並べます([漬け汁パート]は器に残します)。その上に2.を被せて蓋をしごく弱火にかけて10分蒸し焼きにします。
- 3.の蓋を取ってざっくり混ぜこれに[漬け汁パート]を加えて絡めながら水気がほぼなくなるまで炒めればできあがり。
【一口メモ】
- ちょっと濃い目の味ですが寒い冬の夜にはぴったりな味わいかも。何よりお餅が入っているのがお正月っぽいので冬におこたに入って戴くのが似つかわしい料理な気がします。
- 餅入りなので腹持ちがとても良いです。昼からまた長い就業が待ち構えているオフィスでのランチにもぴったりですよ。冷めてもお餅が硬くならないのも嬉しいところです。
- 野菜類は炒め物に向くものなら何でもあり。冷蔵庫のあり合わせで見繕ってください。