こち亀の両さんは作中で様々な職業に就いていますがわりと長く勤めている仕事として親戚が経営する寿司店で板長をやっていたりもします。
とある回のエピソードで寿司通の学校の先生をへこませる話がありました。
確か、生徒たちが作った創作ずしを「こんなものは寿司ではない」と一蹴しようとした先生に「寿司ってのはもっと自由なものだったんだぜ」と教える流れだったかな。
江戸時代、寿司は安物のファストフードの代表でネタにしても厳格な決まりがあったわけじゃない。
めんどくさい決まり事をいろいろ考えたのはどこかの金持ちの後付けなんだ。
本来寿司は自由だし、これから先もいろいろな寿司が生まれていってほしいなんてことをからりと言ってのけます。
説教臭くならないところが作者の技量でしたね。
そういえばアメリカの寿司の代表選手ともいうべきカリフォルニアロールも登場した頃はさんざんな言われようでした。
ネタにアボカドを使ってるんだぜ。
味付けはマヨネーズだってさ。
なんで海苔を中に巻いてるんだ?(ちなみに裏巻きという技法です)要するにあんなのは寿司ではない!
なんてさんざん言われていましたっけ。
けど、あれを考案したのは日本の寿司職人なのです。
刺し身に抵抗があるアメリカ人でも食べられそうな蟹身をチョイスし、味も醤油に馴染みがないのでマヨネーズ。
海苔も外側に巻いてあると見た目が真っ黒で気味悪がられるので裏巻きにした──というようにちゃんとした理由があるのです。
というかプロの寿司職人の創意工夫の結晶なんですね。
日本ではさんざん嘲笑われたカリフォルニアロールですがアメリカの寿司バーでは大人気メニューとなりました。
今では日本でも回転寿司屋の定番メニューに収まっているんですから現金なものです。
寿司と同様、刺し身だってもっと自由であるべきだと僕は思うのです。
刺し身醤油に山葵で食べるなんて誰が決めた?
もっといろんな食べ方があったって良いじゃないか。
そう思って時々思い出したようにこんな料理を作ったりします。
【材料】(2人分)
-調理時間:7分-
- 鰹のたたき:150g
- 大葉:1、2枚
[タレパート]
- 梅干し:1粒
- ポン酢:12g(小匙2)
- おろしにんにく:ひとかけ分
【作り方】
- 鰹のたたきは薄くそぎ切りにして皿に盛ります。[タレパート]の梅干しは種から外して叩きます。大葉は細切りにします。
- [タレパート]を合わせてよく混ぜ鰹のたたきにスプーンを使って少しずつ振りかけます(こうするとまんべんなくかかります)。仕上げに大葉をトッピングすればできあがり。
【一口メモ】
- 酸味が利いてさっぱりとした風味の刺し身料理に仕上がりました。ガツンと来るにんにくの風味も良い感じ。醤油にわさびという食べ方に飽きたらぜひどうぞ。
- 最近梅干しも漬け方で複数種類売られていたりしますがこの料理には、はちみつ漬けの梅干しが良く合うように思います。ほんのりと舌先で躍る甘みがポン酢の酸味と好相性なのです。
- お好みでいりごまを振っても美味しいですよ。