ステーキと言う言葉に昭和生まれの僕は特別なイメージを持っています。
熱い! 旨い! 肉肉しい!
そして、高価で高級なごちそう!
そういえばこんな思い出があります……
地下鉄サリン事件が起きた年ですから1995年。
もう30年近く前の話になります。
僕はとあるプロジェクトに参加していて松阪市に長逗留していました。
「いっぺんくらいステーキが食べたいよね」
誰が言い出したか忘れましたがプロジェクトの仲間とステーキハウスに繰り出したことがありました。
「高い……」
誰も口に出しては言いませんでしたがメニューを見た途端に寡黙になった仲間を見れば何を考えているかは一目瞭然でした。
で、けっきょくみんな一番安いサービスステーキというのを頼んでいました。
僕はと言うと「サービスステーキはお値段なりの味でお値段なりに硬いに違いない」と踏んでひとりでビーフシチューを頼みました。
ちょっと残念な感じの顔になっている仲間の顔を見ながら戴くビーフシチューは柔らかく煮込まれていてそれはそれは……
って良い性格してたな。
かくいうほどにステーキは高い!
というのが昭和生まれの僕の印象なのです。
ところが過日、近頃よく行く近所の八百屋でカツオのアラを発見。
なぜ八百屋で魚を売っているのかは謎ですがそういう店なのです。
で、カツオのアラのお値段は……
たっぷり入って1パック50円。
買いましたとも。
マグロやカツオのアラはしっかり血抜きすれば獣肉に負けない最高のごちそうになるのです。
かくしてその夜。
松阪牛に憧れた時代から30年。
当時の物価でもありえないステーキが我が家の食卓を賑わしたのでした。
【材料】(1人分)
-調理時間:37分-
- カツオのアラ:150g
- にんにく:ひとかけ分
- 生姜スライス:2枚
- オリーブオイル:8g(小匙2)
- 焼肉のたれ:27g(大匙1.5)
- 赤ワイン:15g(大匙1)
- 粗挽きブラックペッパー:少々
【作り方】
- カツオのアラは冷水に浸けて時々水を替えながら冷蔵庫で半日置いて血抜きをします。
- 1.のカツオの水気をキッチンペーパーでしっかり拭き取り焼肉のタレと千切りにした生姜に30分漬け込みます。
- 2.を待っている間ににんにくは厚めにスライスしてフライパンにオリーブオイルと合わせ弱火できつね色になるまで焼きます。これを小皿に取っておきます。
- 3.のフライパンを強めの中火にかけてカツオのアラを浸け汁、生姜ごと投入し焼き色が付くまで焼きます。これに赤ワインを振って蓋をし、3分蒸し焼きにします。
- 4.の蓋を取り水気がほぼなくなるまで焼けばできあがり。お皿に盛って粗挽きブラックペッパーを振り、3.のにんにくチップをトッピングして戴きます。
【一口メモ】
- 骨が多いのが難点ですが味はめっちゃ美味しいです。マグロのアラもそうだったけど風味は魚というよりは獣肉に近くまさにステーキって感じです。
- 血抜きが浅いと生臭いのでしっかりめに血抜きするようにしてください。時間はかかるけど手間は水を交換するくらいで、たいしてかかりません。
- 今回は手持ちの焼肉のタレを使ってみましたが市販のステーキソースを使うとまた違った美味しさになりますよ。
- 焼肉のたれのかわりに醤油、酒、おろし生姜に漬け込んで焼く時に砂糖を加えればまんまかつおの生姜焼きになります。