新車、新しい家電、越してきたばかりの町……新しいものに触れると誰しもワクワクするものです。
何もかもが新鮮で何もかもがハイスペックに感じる。
一日中触れていてもちっとも飽きない……なんて思うのですが。
例えば新しいオーディオで最初の一曲を聴いた時は「なんて良いサウンドなんだ」と感動していたのに1週間もするとそれが当たり前になって凄くもなんともないと思えてしまうのもまた人の性だと思うのです。(同じサウンドなのにね)
スーパーやコンビニで売られているお惣菜も僕が大学生だった1980年代から比べるととんでもない進化を遂げています。
「これ、もう自炊する必要ないやん」なんて思うくらい家庭料理寄りで種類も豊富。
よりどりみどり──なんて思っていてもやっぱり1週間もすれば飽きてくるんですよね。
それは先に書いた飽きっぽい人の性だから仕方ないと言われればそれまでなのですが、それだけが原因じゃない気もするのです。
種類が豊富なのは確かだけど、そのラインナップがわりと揚げ物、炒め物に偏っている。
大量に作るのでどうしてもそういう調理法になりがちになるのはわかるのですがたまには「魚の煮付けとか食べたいな」と思うのは人情でしょう。
もちろん、魚の煮付けも皆無ではありませんがお総菜売り場の隅に申し訳程度に並んでいるくらい。
ラインナップも揚げ物よりはぐっと少なめです。
で、結局はそういった料理は家で自分で作るしかないかなという考えに帰結します。
目新しいものの新鮮さに飽きたら原点回帰。
けっきょくは普段着のこういったお惣菜が欲しくなっちゃう。
それもまた人の性でしょうか。
【材料】(1人分)
-調理時間:20分-
- メバル:1尾
- 大根:2cmの輪切り
- 生姜の千切り:スライス1枚
- 濃口?油:27g(大匙1.5)
[煮汁パート]
- 水:150g(カップ3/4)
- 酒:50g(カップ1/4)
- 味醂:18g(大匙1)
- 砂糖:4.5g(大匙1/2)
【作り方】
- 大根は7mm厚の半月切りかいちょう切りにし5分下茹でします。(茹でるお湯は分量外)
- 1.をやっている間に包丁の背かうろこ取りを使ってめばるのうろこを取ります。エラぶたから包丁の刃先を突っ込んで中のエラをまな板に押し付け魚を回転させてエラを取ります。最後に腹の脇に包丁目を入れてワタを描きだします。これを流水できれいに洗います。
- 鍋に[煮汁パート]と生姜を入れてひと煮立ちさせます。煮立ったらメバルを重ならないように入れ大根を加えます。落とし蓋をして弱めの中火で10分煮込みます。
- 3.に濃口醤油を加えて更に5分煮込めばできあがり。
【一口メモ】
- めっちゃ馴染みのある甘辛な魚の煮付けが案外簡単にできちゃいます。スーパーのお惣菜に飽きたらぜひお試しあれ。
- 調味の要は砂糖の分量です。このレシピでは少し控えめにしてありますので味を見ながら加減してください。汁を飲んでみてちょっと物足りないと思うくらいが頃合い。「美味しい」と感じたら味が少し濃すぎに付いているのでだんだん飽きてきます(その場合は水を大匙1(15g)ほど加えると調整できます)。
- メバルは身崩れしやすい魚です。鍋から盛り付けるときは大き目のお玉を使って慎重に。フライ返しを使うのもありですよ。
- 魚のさばき方を覚えると料理の幅はぐっと広がるので何事も練習と思ってチャレンジしてください。けど、やっぱり苦手! という方はお店の人にさばいてもらうのもありかな。