僕は神戸市で生まれて神戸市で育った生粋のべっこです(横浜のハマッ子に対して古い神戸市民はこんな呼び方をします)。
神戸には市役所を擁する三宮という繁華街があるのですが多くの大都市のご多分に漏れずこのエリアにも大きな地下街があります。
その名もさんちかタウン、略してさんちか。
今では50年以上の歴史を経てよく言えば老舗の風格、悪口っぽく言えばちょっとくたびれた商店街の風情を持つたたずまい。
ですが、もちろんサンチカにだってオープンした初日というのがありました。
自分でもちょっとびっくりするのですが古いアルバムをめくるとどうやら僕はそのオープン初日に一番客として立ち会ったらしい。
といっても一歳半くらいのよちよち歩きの頃ですから全く記憶にないのですが。
なので想像するしかないのですが、きっとその時、僕が見たのは時代の最先端を行くハイカラな地下商店街だったことでしょう。
どんなお店があったのかな? どんな事物にも生まれた時、発祥した時というのはあります。
その時にはハイカラだの恰好良いだの、おしゃれだのもてはやされるものが多いですがいずれも時がたてばありきたりでそこにあって当たり前で誰もいちいち気に留めなくなります。
それは料理においても同じこと。
肉じゃがという料理は生まれたての頃は海軍生まれのハイカラな料理と思われていたかもしれませんが今となってはごくありふれたお惣菜。
誰もおしゃれともなんとも思いません。
その代わり、なんか懐かしい味。
心がほっとするお惣菜なんてノスタルジックな気分に浸ることができる一品に変化していっていますね。
今ではノスタルジックですらある料理の生い立ち──そんなことを想いながらこんなアレンジ料理を作ってみました。
【材料】(1人分)
-調理時間:15分-
- 厚揚げ:半丁
- 玉ねぎ:1/4個
- 刻み葱:少々
- サラダ油:4g(小匙1)
- 水溶き片栗粉:4.5g(大匙1/2)分
[調味料パート]
- 濃口醤油:15g(小匙2強)
- 砂糖:9g(大匙1)
- [煮汁パート] 水:100g(カップ1/2)
- 味噌:6g(小匙1)
- オイスターソース:3g(小匙1/2)
【作り方】
- 厚揚げは5mm厚の短冊に切ります。玉ねぎは薄切りにします。
- フライパンにサラダ油を入れて中火にかけます。これに厚揚げと玉ねぎを加えて炒めます。玉ねぎがしんなりし始めたら[調味料パート]を加えて2分しっかりと炒めます。
- 2.に[煮汁パート]を加えてひと煮立ちさせ蓋をして弱火で5分煮込みます。再び煮汁を煮立たせて水溶き片栗粉を加えてとろみを付けます。これを器に盛って刻み葱を散らせばできあがり。
【一口メモ】
- 説明不要。一口食べれば「あ、肉じゃがだ」って誰もが思います。お肉は全然入っていないのに満足感の高い一品ですよ。
- 味の要は砂糖の分量。お好みに応じて加減してください。
- さっぱり風味がお好きな方は[調味料パート]
- におろし生姜を加えるのもありです。
- 人参やグリーンピースなど肉じゃがに加えそうな材料の手持ちがあればぜひプラスしてみてくださいな。