今では身近な鶏卵ですが、長らく日本では食材ではなく栄養剤又は薬として扱われてきました。
江戸時代には卵売りという商売もあったようですが、まだまだ庶民の手が出るものではなかったようです。
卵料理が当たり前に庶民の食卓にならぶようになったのは昭和三十年以降くらいだそうで、当時は栄養改善に関心が集まっていて「タンパク質が足りないよ」なんてキャッチフレーズの下、脚光を浴びたようです。
「巨人、大鵬、玉子焼き」と子供が大好きな3つのものに挙げられるようになったのはそのちょっと後です。
食材として扱われるようになった卵からは実に多彩な料理が考案されました。
茹で卵、スクランブルエッグ、玉子焼きといった火を通すものだけでなく、卵かけごはんに代表される世界に類を見ない生卵文化も誕生しました。
実は生卵を食べる文化は日本独自というわけではなく、フランスにも生卵文化があったりします。
ユッケの洋食版のようなタルタルステーキやエッグノッグやミルクセーキのような飲料、生卵を使ったカクテルもあります。
火を使う卵料理の中でもちょっと異色なのがこの炒り卵、お節の彩りなどで知られる料理ですが、卵焼きが高温で手早く仕上げるのに対して、湯煎にかけるような温度で撹拌しながらじんわりと火を通して作ります。
お弁当などに入れるとカラフルになって楽しいですよ。
【材料】(1人分)
-調理時間:5分-
- 卵:1個
- 砂糖:3g(小匙1)
- 塩:ひとつまみ
【作り方】
- 卵を小ぶりのボウルに割り入れ、砂糖、塩を加えて菜箸で卵白を切るように溶きます。丁寧に説いた方が色目が均一に仕上がります。
- 小鍋を湯煎にかけ1.を加えます。菜箸を数本突っ込んでぐーるぐーる混ぜながら熱を加えます。卵がもろもろのそぼろ状態になればできあがり。
- 湯煎は面倒という方は小鍋をごく弱火にかけて下さい。仕上がりのちょっと手前で火を止めて予熱で仕上げれば完成です。
【一口メモ】
- ふわふわふわとした食感が楽しいですよね。そのままおかずにしても良いですし、ご飯やおかずのトッピングに使っても楽しいです。
- 炒り卵は他の卵料理と違って油を引かないのが特徴です。低い温度でゆっくり火を通すので案外鍋にこびり付きません。
- 砂糖はお好みで加減して下さい。子供さんのいらっしゃるご家庭では少し甘めの方が喜ばれるかも。