精進料理の世界の知恵は洋食の世界でも活かされる──テレ東でやっていた「シェフは名探偵」というミステリードラマを観てしみじみそんなことを思いました。
ヴィーガンのお客様の予約に応えるために「牛乳の代わりに豆乳を使おう」というアイデアがシェフの口からすっと出て来るのを見てそう感じたのですが考えてみると精進料理は動物性の食材がNGという縛りがありますから同じく動物性がNGなヴィーガンの人の食事を作るアイデアの宝庫なんですよね。
牛乳の代わりに豆乳やココナッツミルク、アーモンドミルクなどの豆の加工品を。
バターは現代的にはマーガリンが一番に思い付きますがそれ以外にもオリーブオイル、カカオバター、ココナッツオイルなど植物性の油脂を。
チーズの代用品としては大豆やカシューナッツを原料としたその名もヴィーガン・チーズと呼ばれる加工品があります。
いずれも本家の料理がまずあってそれに似せるように植物性の材料を加工して寄せていくプロセスはまさに精進料理のそれです。
ちょっとおかしな夢想をしてしまうのですがもしも欧米諸国と鎖国していた江戸時代──西洋料理だけが江戸の町に流行ってみんな食べたがっているんだけど肝心の食材が輸入できない……
なんて事態になったとしても案外精進料理的な解決方法で作っちゃったりするんじゃないかしらん。
なんて思ってしまうんですよね。
例えばホワイトソース。
バターが手に入らずとも江戸の町で簡単に手に入る米由来のあれを使えばこれこの通り……
って、僕が自慢する話でもないのですがw
【材料】(1人分)
-調理時間:27分-
- 具材:じゃがいも、椎茸、蓮根、ベーコンなどグラタンに使えそうな手持ちの食材を適宜
- オリーブオイル:4g(小匙1)
[ホワイトソースパート]
- 餅:1個
- 豆乳:200g(カップ1)
- コンソメスープの素(顆粒):4g
- ホワイトペッパー:少々
【作り方】
- お餅を薄くスライスして更に細かく刻みます。
- 小鍋に[ホワイトソースパート]を合わせて中火にかけひと煮立ちさせます(吹きこぼれ注意)。火を弱火にして餅が溶けてとろみが付くまで5分ほど煮込みます。
- 2.と並行して具材を食べやすい大きさに切ります。フライパンにオリーブオイルを入れて中火にかけます。これに具材を加えて2分炒めます。
- オーブンを230度に予熱します。3.を2.の小鍋に加えてよく混ぜます。これをグラタン皿に流し込みます。
- オーブンの予熱が完了したら天板にグラタン皿を載せて下段に入れ15分焼けばできあがり。
【一口メモ】
- 小麦粉とバターから作るホワイトソースと違いわりとしっかりした粘りのあるソースに仕上がります。しかも原料がお餅なのでオーブンで焼けばめちゃ香ばしい。これはもはや僕らが知っているグラタンとは別の料理な気がするな。
- 具材はなんでもありなのですがこのレシピでは比較的和風のもので揃えてみました。お餅との相性もばっちりですよ。
- 豆乳の手持ちがなければ牛乳を使っても美味しく作れます。ただ旨味成分は圧倒的に豆乳の方が多く含んでいるのでできれば小さな紙パックタイプのものなど買ってきてください。
- お餅は一口サイズのものが百均ショップなどで売られています。市販のものは比較的大容量パックが多くその分お値段も張りますので百均ショップを賢く使うのがおススメです。