子供の頃から、おからが嫌いでした。
豆腐の絞りかすで、食感がぼそぼそしていて、なんだか貧乏くさくて。
だから、これだけレシピを書いていておからを使った料理は確かゼロのはずです。
けど、獣肉を食べなかった時代の人にとっては肉に匹敵するほどのご馳走だったんだろうなと長じて思うようにはなりました。
食感こそイマイチですが、味は淡白なのでどんな味付けにも馴染む。
何より元が大豆なのでタンパク質が豊富。
ご先祖さまの命を支えた食材のひとつだったのでしょう。
反面、肉食が当たり前の令和のご時世でも豆腐屋だけでなくパックに詰められてスーパーで売られているということは根強い人気がある証拠なのでしょう。
なんてことを考えながら、ちょっとノスタルジックな風味のこんな料理をこしらえてみました。
【材料】(2人分)
-調理時間:35分-
- 乾燥ひじき:5g
- おから:50g
- 薄揚げ:半丁
- 人参:半本
- 青ネギ:10cmくらい
- だし汁:1カップ
- サラダ油:適宜
[調味料パート]
- 味醂:18g(大匙1)
- 濃口醤油:9g(大匙1/2)
【作り方】
- ひじきは水に浸けて戻し、ザルに揚げて水を切ります。それをやっている間に薄揚げは5mmの小口切りにします。人参は細切りにします。青ネギは小口切りにします。
- 鍋にサラダ油とひじき、薄揚げ、人参を入れて材料の表面がてらてらして油が馴染むまで炒めます。これにおからとだし汁の半分、[調味料パート]を加えて汁気がほぼなくなるまで中火で煮ます。
- 2.にだし汁の残りを加えておからがふっくらして水気がなくなるまで煮ます。味を見てものたりなければ塩(分量外)で味を整えます。火を止めて青ネギを混ぜ込めばできあがり。
【一口メモ】
- はんなりと柔らかな味です。出汁を染ませているので食感もしっとり。この料理なら、おからのボソボソした食感が苦手な人でも楽しめるんじゃないかな。
- 具材は他にもキノコや青菜などが合います。品目を増やせば摂れる栄養価の幅も広がります。
- 米粉を加えて茹でてお団子にしたり、ひき肉を加えてつくねにしても楽しいですよ。
- 大きめのスプーンで1?2杯味噌汁に加えると即席の呉汁(すり潰した大豆を実にした味噌汁)になります。うっとりするほど風味豊かで、しかも一瞬で2品できちゃう。オススメの献立です。